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昼休みになると、3年生が必ず迎えに来てくれます
「先生!遊ぼう!」
みんな、笑顔でピョンピョンはねています
うれしい限りです
「先生、氷オニやろう!」
「先生、増えオニにしようよ!!」
と私に提案してきます
でも、私は子どもたちに返すようにしています
「みんなで話し合って決めて」
これが3年生の子どもたちにとって難しいようです
「この遊びをしたい」という願いを
「友達のしたい遊び」との中で、折り合いをつけなければならないからです
わいわい、好きなことばかり言っています
そして25分しかない休み時間が、どんどん減っていくのです
結局、「人狼オニごっこ」という遊びになりました
子どもの言うことによると、司会者に「黒」と言われたら人狼という名のオニになるようです
「白」と言われたら、市民で逃げる役になります
なぜか、オニは2人と決められています
ん?何が面白いのかな?
後ほどネットで調べてみると、ルールが違っていました
正式には、オニ同士は人狼と分かっているらしくて、それ以外は知らないのです
ああ、それならわかります
うまくだましあって、じわりじわりと捕まえていく楽しさがありそうです
しかし、三年生たちの人狼鬼ごっこは、黒と言われたらガンガン走ってタッチしていくので、誰がオニなのか一目瞭然です
さらに、子供たちのルールでは、オニの人数が2人と決まっているのに、4人いたということがわかりました
司会者がまちがった、ということになり、またやり直しです
司会をやっていた子がおろされる事態に発展しました
もちろん、その子は半べそ状態
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴りました
昼休み、終了
玄関に戻るまでの間、ずっと泣いている子がいます
「世界で一番嫌いなオニごっこだ」
と何度も何度も言っては泣いています
彼にとってみれば、楽しく遊べるはずの25分間が奪われたのです
そして、もやもやする25分間にすり替わってしまったのです
でも、これが子どもの世界なのだと思います
その中にぽんと入ることが楽しく感じます
ちなみに6年生は25分間ほとんどすべてを上手に遊びに使っていました
話し合いが実にうまいのです
小学校の3年間における発達は大きいと感じます
次は6年生と遊ぼうと思いました

                         三浦健太朗

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