異年齢保育・交流の可能性☆

突然ですが、みなさんの保育園、学校、幼稚園、では、異年齢の交流活動等はしてますか？

なぜこんなことを話題に出すかと申しますと異年齢活動をすることのメリットが数多く存在するからです。例えば、今注目されている非認知能力が育まれます。他にも様々なことが子どもに影響を与えてくれます。私自身、教師になる前、保育士として１５年間従事し、その保育園は３歳から５歳の異年齢保育の形態の園でした。そこでの実際の感覚または、文献を参考に少しお話します。

では、なぜ縦割り活動、異年齢保育をする必要があるのでしょうか？

現代では子どもの出生率が減少し、安心して遊ぶ仲間や遊び場も少なくなり、また核家族化が進み、地域社会における子ども同士や親同士のつながりもよわくなってきた状況があります。そこでは、競うことも、葛藤や我慢といったことも減り、仲間との交流や人間同士の間もまれることも少なく、人とかかわる力の育ちが危ぶまれています。本来、子どもたちは異年齢の中でいっしょに遊び、多様な人間関係を学びながら成長してきました。しかし、現在では、このような機会が逓減してるため、意図的に異年齢保育を実践する必要性が高まってきています。さまざまの人たちのかかわり合いのなかで子どもを育てられる。今そんな期待が寄せられています。その期待に応えるように、保育所・幼稚園などでは、異年齢集団による活動が意識してつくられるようになってきました。それでは、異年齢保育の利点とはどんなことなんでしょうか。

　《たてわり活動・異年齢保育のメリット》
～年少児の場合～
・ 歌や言葉など、同年齢の子どもとやるよりも覚えがはやい（発達の最近接領域）
・ 自己中心的な子どもが、年齢差や能力差というものを知ることができる
・ あそびのなかも善悪を、大人のいいきかせと違い、肌で感じることができる
・ 年長児のあそびを真似ながら、あそびがダイナミックに発展し、創造力が豊かになる
・ なわとび、鉄棒、雲梯など、すべての年長児のしぐさを見つめ、真似し、仲間入りして自然なかたちで覚えていくようになるなどなど・・・

～年長児の場合～
・ いたわりの心や、やさしさが身につき、甘えがなくなる
・ 自己中心的な考えから自分の気持ちをおさえる力がついてくる。
・ あそび相手の年齢の幅が広くなり、あそびの活動の幅も広がり、豊かになる
・ 無関心になりやすい異年齢の子に、目を向けられるようになり、自分のことばかりだけでなく、他人に関心が向くようになる。
・ おもちゃなどをゆずって、相手を楽しませる喜びを知る。

～教育者・保育者の場合～
・ ひとりひとりを大切にすることができる
・ 子どもたちの力を借りて、あそびの伝達、伝承をすることができる
・ 年齢に見合った成長だけでなく、年齢に関わらずその子の個性などがよくみえるようになり、大人の接し方もみんな同じではなく、その子を理解し関わることができる。

このように、非認知能力とよばれる、社会性、メタ認知、意欲、協調性、自己認識、想像力などなどの力が育まれます。勿論、通常の学年別の活動でも非認知能力は育ちますが、縦割り活動では、さらに上記のような能力が育まれます。また、どもたち一人ひとりがそれぞれ異なる人格を持っているのは当然のことだが、異年齢では、さらにいろいろな面で違いが見えてきます。よって自分と異なる人のことを自然に受け入れられるようになり、人としての幅が広がり、異質性、多様性（ダイバーシティ）を受容する力が育っていきます。

よってその異年齢保育が広がる理由として、それぞれの違いがあるからこそ学び合えるのだという見方が根底にあると思います。いっしょに暮らすという関係の中で、それぞれの子どもが自分らしくふるまえる居場所をみつけていきます。大きい子に刺激されて、小さい子にとっての思わぬ飛躍が実現されたり、また、小さい子に接しながら、大きい子には無意識のうちに、やさしさの心が芽生えます。そして、それぞれの子どもは、その子ならではの“らしさ”が培われるのです。

《最後に》
最後に持論ですが、絵本に続き“異年齢保育”も日本を救うとも思っています。（笑）興味のある方は下のリンクからどうぞ！
日本で異年齢保育を実践している保育園を増加させていき非認知能力が高まると仮定します。

① 異年齢交流により、自制心や忍耐力が育まれ、日本全体の非行に走る子どもが減り、財源の歳出が減る。
② 縦割り保育により、学習意欲、計画性、コミュニケーション能力が高い子が増加し、自己実現できる子が増え、ニートが減る。そして、成人になって税金を納める国民が増え、生活保護の受給者が減る。
③ 異年齢保育により、相手の気持ちを想像できる人たちが増え、お互いを思いやる国民が増加する。
とこんな野望をいただき、異年齢保育の良さを広げたいと考えています★

と、このように講釈を垂れてきましたが、異年齢保育・活動のポテンシャルの高さをご理解いただければ幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました♪

　　　　　　　　　　　　　　　　　　西牧雅有