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80歳現役時代、小学校の役目とは

80歳だからこそ


先日、新聞にこんな見出しがおどっていた
「80歳も貴重な戦力~シニアの経験生かす企業増~」
読んでみると、70歳以上で働いている人が年々増えているということだった
2013年は約20万人だったのに、2020年では約67万人まで増えたという
埼玉県のイオンで働いている80歳の女性が取り上げられている
わかい従業員からは「ばあば」とよばれる
悩みごとの相談にのり、家電の知識で頼られているそうだ
スマホやパソコンでは、お年寄りのよき相談窓口になるという
私の中に、80歳だと体の不調や脳の働きがおとってくるなど、マイナスイメージがあった
しかし、この記事を読むと、80歳にしかできないことを見事にやっているではないか
現在の小学生たちは、一体何歳までが「現役」となるのだろうか?
その際、小学校の教育の在り方はどうなるべきなのか?


公民的資質の「基礎」とは


小学校では、立派な社会の形成者を目指して授業にうちこむ
これまで考えたことはなかったけれど、今の学習指導要領は、どの年代での成功を目指しているのだろうか
社会科でいうと、小学校の目標として「公民的資質の基礎を養う」とある
公民的資質というのは「国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者。すなわち市民・国 民として行動する上で必要とされる資質」のことである
その「基礎」だ
ちなみに、中学校でも「基礎」という言葉がある
義務教育では、公民的資質は完成しないということになる
では、「基礎」ができ、家が完成するのはいつなのか?
高校の公民で、ようやく「基礎」という言葉が外れる
「平和で民主的な国家・社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う」
とあるが、あくまでも「養う」である
印象としては、まだ完成しているようではない
つまり、公民的資質は完成させるものではなく、時代に合わせて磨き続けるものでなければならないのであろう
つまり、小学校で教えなければならないのは、その時代時代での社会的事象に興味を持ち続ける資質
そして、時代に合わせて思考・判断していく資質ということになるのであろうか
どの年代での成功を目指す、というよりも、学び続ける姿勢を目指す、ということが正解かもしれない


小学校の役割とは?


現在、私は小学校・中学校・高校の先生たちと一緒の職場で仕事をしている
授業論を話していると話題になるのは、受験のあり方である
受験問題の中で知識を求める問題ばかりが出ていれば、当然中学校の授業も重視せざるを得ない
もちろん、高校でも同じだ
そう考えると、小学校では最も社会的事象にじっくり向き合わせる機会が確保しやすいと言える
学習指導要領に沿って、社会的事象を選び、子供たちに出合わせる
「えっ?」
「本当?」
小学生の新鮮な情動を働かせながら、学習に向き合わせることで、社会の中に潜んでいる問題と出合わせたい
問題は新聞の中、テレビの中、もちろん教科書の中にもたくさん眠っている
これから長い人生を生きていく小学生に、新鮮な出会いを演出すること
そして、社会の出来事に向き合う楽しさや必要性のきっかけを作ること
こうした授業を目指して、小学校教員として生きていきたいと思う

                       三浦健太朗

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