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小説『地獄の王』

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ホームページで公開しているSFファンタジー小説です。 ホラーやアクションも入っています。
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2022年6月の記事一覧

第3章、村と居酒屋2ー「あの子たちを頼むわね。」

学校のパンフレットを見て  マーズちゃんが 「サファロスだったら、さっき、あの辺で会ったぜ。ていうか、向こうは気づかずに通り過ぎたけど・・バッカスのやつ、酒の出る鏡でも作ったのか?」 「たぶん・・・。」と私 「おそらく、お部屋で、毎日お酒を飲むつもりですわ。生徒たちは、みんな1つの建物で暮らしておりますの、ごらんになります?」  オフィーリアは、学校のパンフレットを私達の前に差し出した。  私はそれを受け取り、 「へえー。」と言いながらパンフレットを広げ、覗き込むマーズ

第3章、村と居酒屋1ー「本当の強さなんて、服なんか関係ないのにね。」

 私は地上に出るとすぐさま刀を出し、そこらじゅうで争ったりうごめいている亡者達を切りつけ始めた。血しぶきが上がり、私の顔や髪、服に赤い模様が広がっていく。  亡者達といっても人の形をしておらず、醜い心がそのまま体に現れ、イボが全身にあったり、皮膚の色が毒々しい緑色やピンク色だったり、ぬめっとしていたり、爬虫類よりもさらに気味の悪い姿となっている。  私はそれらをすべて一人残らず切りつけていった。なので、私の通った後には、亡者の死体が転がった血の海が広がっていく。亡者達が逃げよ