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止まった時間 流れる月日

毎日泣いてきた
ハナコのご飯台の前を通るたび
ハナコのお気に入りの場所が視線にはいるたび
ハナコがよく覗いていた部屋のドアの隙間に目がいくたび

リードと写真をもって出かける ひとり散歩
毎朝 一緒に歩いた道を歩く

付けられた鉄の網を避けて歩いた道の側溝
必ず立ち止まって長い間匂いを嗅ぎ続ける電柱
一緒に座って休憩したりブラッシングしたベンチ


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100日間 私の中で時間は止まっていた

頭で分かってはいても
必死に時間が進まぬように両手を広げて止めていた

止められるわけはなく
月日は流れ過ぎ
季節は冬から春 そして初夏へと移りはじめ
長袖の厚着から 半袖に着替えている


ハナコがいないという悲しみより
ハナコがいた景色が遠ざかっていくという焦りが
大きくなっているんじゃないか

思えば、去年の今頃は一緒にいた
1年後にいなくなるなんて考えてもいなかったから
普通に一緒にいた

時を止めようとしなくたって
初夏のハナコ
夏のハナコ
秋 … そして冬のハナコ
全部に思い出があるじゃない

今年の思い出は1月しかないけど
9年間の四季折々 思い出はたくさん残してくれているじゃない


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起きていても寝ていても
私の背中はパンパンに固くなり
首と肩もギブスでも付けられているかのように固定され
体中が常に緊張し、悲鳴をあげているみたい

そろそろ時間を全身で止めようとすることをやめて
私の中の時間を解放してあげないとかな

自分が壊れる前に
無駄な抵抗を
一つでもやめないと… いけないね


今日も一日ありがとう

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