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青い空へ

2時にお迎えの車が来てくれました
荷物をもって、
「さぁ ハナちゃん いこう」
そう声をかけて玄関をでた

何日ぶり? 20日に獣医さんのとこ行ったのが最後かな
まだ、ほんとに まだ10日も経ってないんだね
あの日は苦しいながらも、ゆっくりゆっくり歩いて帰ってきたね

重かった
ハナコこんな重かったっけ?
抱えながら、階段をおりる
ハナコ落とさないように…
コケないように…

フッと膝の力がぬけた
あ、あぶない!!
ヘタっと階段に座り込んでしまった
ハナコをギューッと抱いた状態で

冷たかった
ハナちゃんは暖かったのにな
今日まで、部屋に暖房もいれず、ハナちゃんを冷やしてきた
だから冷たいのは当たり前
わかっているけど、切ない

迎えにきてくれた担当の方が、見かねて荷物だけを持ってくださった
もう一度 立ち上がって、ハナコを抱えて
車に乗った

散歩していた道を車で通る
ココで頑固発動して歩かなくなったことあったなー
ココで手すりから顔だしてまで、川のぞいていたなー
ココでベンチに座ってる人に撫でてもらって、動かくなったなー
……
いくらでも出てくる

到着後、部屋の前で女性の担当者の方が深々を頭を下げて待っていてくださった

いよいよ…
心臓がバクバクしてくる

用意された台の上に、もってきたバスタオルを敷き
ハナコを寝かせ
おやつやごはん、散歩のリード、似合ってたピンクの服、そして手紙

あ!!
花わすれた!
メモにちゃんと書いたのに、あんなにチェックしたのに…

「大丈夫ですよ。こちらで少し用意しますね」
そう言って、トレーにたくさんの菊の花をもってきてくださった

「ゆっくりお別れしてください。後でまいります」
そう言って、部屋には私とハナコだけになった

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ありがとう ハナちゃん

 それでは、炉の中へ

 扉をしめさせていただきます

 火入れさせていただきます

言葉は違っていたかもしれない
でも一つ一つ言葉にした後 合掌し、礼をしてくださった

ほとんどが無音だったけど、扉を閉める音
炉の中に見える、ハナコのお尻が見えなくなった時に聞こえた音
  ガシャン
これは突き刺さった
もう触れないんだね…

約1時間の待ち時間
ジッとしていることができず、周囲を散策
散歩している犬とすれ違っては元気に歩いている姿を見とれてた

おかえり おつかれさま

ハナちゃんの骨は、しっかりした立派なものでした
細かく骨の説明を聞きながら
 もうカユイから完全開放されたね
 もうあんな苦しい呼吸しなくていいね
今更ながら、そう思えた。心から思えた

小さな骨壷に収めた
一つ一つ重みを感じながら、ハナコが生きた年月を感じながら

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突風が吹き抜けたような

1月20日(ほんの10日前)
ハナコの呼吸がおかしいと獣医へ
肺水腫だろうと、レントゲンで肺の半分が白いのを見せてくれた
  そして
1月25日午後3時(ほんの5日前)
急に左足を引きずりながら酸素ゲージからでようとして
その後 すごく苦しんで、息をひきとった

後日 獣医さんにその状況を話したら
 血栓のようなものができていて、
 それが左足につながるところに詰まり、左足がしびれてきた
 犬や猫は「しびれる」という感覚がわからないために驚き
 それが呼吸を荒くし
 最終的に呼吸困難となってしまったのではないだろうか、 と。

嵐というよりも、竜巻のようだった
ハナコ自身もそうだったんじゃないかな
その中で、最後までトイレを自力で済ませ
自分なりに準備をして
最後の力をふりしぼって、私の膝まで来てくれた

よくやった! はなまる! 最優秀賞! MVP!!

温かい部屋

久しぶりに暖房をつけて、部屋が暖かい

数日 頭をフル回転させ、無駄に動き回り
しっかりしなきゃとオロオロしていたけど
今は立ち上がる気すら起きないほど

暖房のせいなのか
肩がほんのり温かくなってきて
大きく息を吐き出した

自分自身が息をするのを忘れていたような気がする
これからはどこに行っても一緒だもの
あわてることなく、暖かい部屋でゆっくり息をしよう

ありがとうございました

獣医さん
近所のワンコたち
霊園のみなさま
遠くから見守ってくれたみんな
 ありがとうございました
 14年3ヶ月 キット楽しく過ごせたと思います
 そして、たぶん私と共に生きたこと幸せだったと信じています

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