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「無名」 歴史も政治もすっ飛ばした雑感

映画「無名」今まで6回観たんですけど←不思議と飽きることなく観られてる はちです。
どなたも書かれていますが、多少なりとも時代背景を知っておいた方がより理解が深まるとのことだったのですが、イーボくんの「追風者」を観ていたので、雰囲気としては凡そそんな感じだろうと勝手に理解し、共産党vs国民党に日本の傀儡政権(汪兆銘)が参入した三つ巴のカオスな時代だ、くらいの認識で観に行きました。こんな私めなので、歴史とか政治とか全てすっ飛ばした感想を書こうかなと思います。⚠ネタバレ満載です。

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窓辺で靴を鳴らすフー(トニーさん)
見知らぬ男性からコーヒーを贈られるチェンさん(周さん)
鏡の前でネクタイを締め直すイエ(イーボ)
繋がらないそれぞれのシーンから映画はスタートします。これらのシーンもですが、ひとつのシーン(A)が終わり、次のシーンに移り物語がいくらか進んだところで終わったシーン(A)の続きが出てきて、あ~なるほど…と思えるように構成されています(わかる?) いいとこで場面を切ってるわけではないので、え、それでどうなん?続き気になるぅ、という風に感じることはなかったです。

渡部さん

私めの耳が悪いのが大前提ですが、活舌がいまいちなのか(失礼!) 日本語が聞き取れない(泣) 聞こえてくる中国語を字幕で追ってるときに、いきなりの日本語で脳がついていかないんですかね(笑) ですので二回目からは渡部さんが出てきたら、日本語日本語と思いながら集中して聞くようにしました。それでも聞き取れないところがすごく重要だったりするかも、などど思ってます。今後配信されたりDVD&Blu-rayになるようなことがあれば、ぜひ日本語にも字幕を付けてくれ!!(切実)
てか、渡部は日本語で、中国人は中国語ってなんか違和感。全員中国語でよかったですやん(^_^;)

ワンちゃん

大雨の中、爆撃を避けて防空壕みたいな場所にみんなが避難してるんですけど雨を避けて入ってきたワンちゃんを日本兵が追い出すんです。そしたら爆弾が落ちて、追い出されたワンちゃんが倒れてる、みたいなシーンなんですけど、、辛すぎて二回目からは目を瞑ってスルーしてます。
日本兵と飛行機に乗ってるルーズベルトがかわいい。エンドロールに名前?が出てきてほんわかしました。確認しきれてないけど、最初のワンちゃんも載ってたらうれしいなぁ。

婚約者との別れ

婚約者のファンに振られ、あなたは死ぬのよ、なんて呪いの言葉を吐かれたイエ(泣) 一旦去ろうとし、踵を返し戻ってくるところで、まさかのキス?!
(; ・`д・´)イヤーーーァァァと思ったけど、なかったです。むしろ熱烈キッスはフーさんでした(笑) で、振られたあと日本兵相手に大暴れするんですけど、前髪が乱れていく姿にキュンとなりました← 最後の日本兵を壁に激突させると、日本兵はイエにもたれかかってきます。すると日本兵の血がイエのベストにべったりとつくんですね。それをとても汚らわしい表情で見るイエ。そして日本兵を突き飛ばし、ネクタイの弛みをベストの内側からキュッと引っ張って直すんです。その仕草がこれまたステキで。「日本兵はイエのネクタイを引っ張る(弛ます)」みたいな演技指導があるのかわかりませんけど、もしそれがなくてアドリブならイーボってマジ天才だわ。

ワンへの不信感

日本兵相手に大暴れしたイエに、女と喧嘩したのか?と聞くワン。なぜ知ってる?と詰め寄るイエ。よくある話だと言い逃れるワンをじっと見、視線を落とすイエ。ここの効果音も抜群なんですけど、落とした視線をグッとあげた目がホントにすごい。そしてフッと笑みを返し振り向いて立ち去るイエの表情がサイコパス!(イーボにはいつかサイコパスの役をやってほしい)この一連の目と目線の動きが緊迫感ますを盛り上げます。このときの照明も素晴らしいんだけど、イーボの三白眼がより一層凄みに拍車がかかりゾクゾクするんですよね。

会食にて(オールキャスト)

フーが渡部に「日本人は戦争犯罪者だ」みたいなことを言っちゃって(この発言で身バレ)座が静まり返るんですけど、そんな中ワンがイエにおちょこを差し向け酒を催促します。するとイエは、は?お前バカ?みたいな何とも言えない表情をするんですね。そりゃそうだろう。つい先日の「女と喧嘩したのか」発言でイエに詰め寄られたこと、ワンはもう忘れたんですかねw あれがイエの不振を買い、その後新聞で知ったファンの死がワンによるものだとほぼ確信してるのに、そんな相手に酒注ぐわけねえだろ。この後イエは立ち上がりワンを誘いますが、何があったかはラストで明かされます
(〃艸〃)ムフッ

周迅さん

フーさんの奥さんチェン役の周迅さんです。まだまだ中国ドラマ歴が浅い私めですが「如意伝」というドラマを見て初めてこの方を知り、すごくいい女優さんだなあって思ってて、この映画無名の中に周さんの名前を見つけたときは歓喜でした。どの方もそうですけど台詞もあまり多くないのに(一番多いのは渡部さんですかねw)役者さんの存在感がすごい。でも誰も邪魔してないんですよね。映画ではフーとイエのバトル直前、フーがチェンの部屋を訪ねます。ドアを開けフーを抱きしめるチェン。二人で逃亡するはずだったのかな、でもイエが階下に現れてしまい、フーは絶対に開けるなとチェンを隣室に押し込みます。泣きながら一緒にいたいというチェンがすごくかわいくてフーさんたまらんやろななんて思っちゃいました。

フー vs イエ

この映画の最大の見せ場、フーとイエの格闘シーンです。どのように戦ったのかは書けませんけど、いや二人とも不死身やろ、、とww あんだけお互いボコってモノ投げて首絞めて、イエにいたっては刺されて落とされて付き(笑) どっちか忘れちゃったけどケトルでカーンっとぶったたくんですけど、ドリフかいって心で突っ込んだのはこなたです(´ρ`*)コホ 。 このシーンについて程耳監督のインタビュー記事を読んだのですが、このシーン、外側から誰かが見ていると分かるカットが3ヶ所あるそうです。「誰か」とは日本人のスパイ?だそうですが、見られているということを二人は知っているので手を抜いたりすることはできない、本気で殺し合いをしないといけないんですね。(1)イエたちが階段を上がってくるところ、(2)バトルが始まって割とすぐ、(3)イエが落とされるところ ではなくバトルが廊下に移ってドアのガラスを突き破ったところ、この3ヶ所に「誰か」の視点を感じました。格闘シーンのビハインド映像は、カット!の声で必ずニコッと笑ってトニーさんを気遣うイーボがかわいすぎて死にました(笑)

イエ連行

日本が敗戦し捕らえられていたフーが釈放され、渡部と共にイエがトラックで連行されるシーン。ここのイーボがもうもうもうもうすごすぎる!!!釈放されたフーをトラックの上から挑発するイエ。こめかみに指の銃を当て「burn」と言うとフーは激怒しトラックに上がる勢いで突っかかってきます。もちろん止められるのですが、フーが振りほどかれトラックはイエ、渡部、日本兵たちを乗せ門の中に入っていきます。何がすごいってイーボの表情につきます。「burn」の如何にも舐めきった表情、フーを振りほどいた後、門の中に入っていくまでの表情が言い表せないんですけど冷たいようなやり切ったような、ほんとに語彙力なさ過ぎて言い表せないのがもどかしい、でも感情を揺さぶられるそんな表情です。ここが一番見たかったシーンでした。そしてトニーさん、トラックのイエにつかみかかろうとし、振りほどかれ取り押さえられるんですけど、その時の口元がほんとに微かーに笑っているように見えるのは気のせいですかね。イエよ、よくやった、みたいな。トニーさん流石です。

渡部散る

イエとフーの死闘後、フーは捕らえられ、渡部はイエに日本軍の兵力配備図を見せます。イエを満州に連れて行くと言い完全に信頼を寄せる渡部。イエも「天皇陛下万歳」と言い忠誠を誓う素振りです。しかし日本軍は敗け満州からも撤退することに。政治に興味を失った渡部は日本に帰ると言います。「この軍服を着るのも今日で最後だ。日本に帰って農夫にでもなるか」と言う渡部ですが、「ちょっと待ってください」イエは言います。「あなたはその軍服を脱いではいけない。その軍服を着ていれば人混みの中でもあなたを見つけられます。ただの農民になるなんて許しません」戸惑う渡部。そして「あなたにどうしても伝えたいことがあります」と言い「関東軍が崩壊し満州は数日で瓦解した。これもすべて関東軍兵力配備図のおかげです」驚愕する渡部。そして床に跪き腹から血を流し最期を迎えます。このシーン、イエの台詞は全て日本語です。初めはかなり聞き取りづらく(イーボごめんw)初見は「関東軍兵力配備図のおかげ」が全く聞き取れず、たぶん「私は共産党員だ」とか言ったのかななどど同行者と話していたのですが←三度目で←ようやく何を話しているかがわかり、そりゃ驚愕だわと納得しました/// 渡部を殺害した剃刀を最後看守みたいな人に渡すのですが、あの方も同志なんですかね?

終戦後港香港

イエは香港の喫茶店で新聞を読みながらコーヒーを飲んでいます。そこにはフーの妻 チェンさんの姿が。そして映画の始まりのシーンに繋がります。ウェイターがチェンさんにコーヒーを運んできます。頼んでないわ、とチェン。男性の方から・・と言いますが既にイエは退席しています。次にイエが訪れたのはワンの両親が営んでいる食堂です。そこで酔っ払いエビを食べるのですが、生きたエビが紹興酒の中で暴れてるんです(泣) イエはそれを一尾また一尾と食べていきます。すると一尾のエビが器から飛び出すんですけど、それをイエは逃すまじとばかり箸でつまみ上げ口に入れます。ここも前述の弛んだネクタイではないですがアドリブですよね。エビが偶然に飛び出したことも、それを逃さなかったこともすごいな~と感心しました。最後はお寺を訪れたイエ。香が焚かれた堂で手を合わせているイエの肩にそっと手を置く人物、フーでした。振り向き涙を流すイエ。二人が目的を果たせたのか道半ばなのかこなたには分かりませんが。お寺の雰囲気と言い映像と言いイーボの涙もすごく美しい・・・

ワンの最期

映画も終わり「無名」という文字が出た後、場面はイエとワンの対決シーンに戻ります。前述の 会食にて という見出しのところですが、会食の途中イエはワンを誘い出し、何故殺したとイエはワンに詰め寄ります。ワンは「共産主義者だから」と答えます。イエが後ろを向くとスッと胸元から銃を取り出しイエを撃つワン。ですがその銃からは弾が抜き取られてるんです。失意の涙を流すイエですが、ツカツカとワンに歩み寄り落とした視線をグッと上げ「俺もだよ」と言ってワンに引き金を弾きます。
イエの涙はやっぱり失意の涙なんだと思います。思想の違いはあれどイエにとっては「友」だっただろうと。婚約者は乱暴され命を奪われました。その実行者が友(だと思っていた人)だなんて辛すぎます(泣) ここでも感心したのが、ワンに引き金を弾かれ涙をスーッと流すんですけど、そのタイミングでバッチリ涙流せるってすごくないです?などと小学生のような感想ですみません。

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ふ~~ε=(¯。¯;)  以上、歴史も政治もすっ飛ばした雑感に、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
正直、スパイ映画ってあんまり見たことはないですけど(ミッションインポッシブルくらい)敵地に侵入して何かを探ったり、騙し騙されたり、みたいなイメージなので、この映画「無名」をスパイ映画と呼ぶのか(スパイノワールとも呼んでましたね)よくわかりません。ただこの映画「無名」がどんなジャンルに属したとしても、面白い映画に違いないと思うのです。でないといくら王一博が出演してるからと言うだけで、複数回観られるものではないですよね。これで時代背景やら政治の仕組がわかっていたなら、面白さ何倍増かも知れません。
今週でこなたの劇場は終映予定なので、最後にまた観に行きたいと思います。

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