詐欺だと思ったら詐欺じゃなかった話

ちょうど1年前、イタリア人からDMが届いた。赤いパーカーを着た厳しいイタリア人が腕を組んでいるアイコンだった。名をクラウディオという。DMは片言の日本語ではじまり「センセイ、僕の日本語おいしくないだから英語でいくよ。」と突然英語に切り替わった。

イラストレーターというのは、よく外国人から詐欺メールをもらう。「アートを買いたい」「ペットの絵を描いてほしい」仕事と思って受けると、いざ支払いのときになって「ペイパルの誤送信がないか確認するために◯円送ってみてほしい」とか言われるのだ。

その手の詐欺だと思った。でも、ちょっとなんか違う。表現しにくいけど、その手の詐欺メールにはない熱を感じた。この人は私の絵を見たうえでメールをしてきている。そう感じた。だからちょっと話を続けてみようかと思った。嘘、詐欺だと思って最初「thank you.」で話切った。そしたらクラウディオさんが話を続けるもんだから「DM Please」って仕方なく送った。

「画集を一緒につくりませんか?」要約すると話はこうだ。…怪しい。無名で売上の見込めない私に画集の話が来るなんてありえない。いや、私の絵は最高だと自負しているけれど、本当に知名度が壊滅的にない。画集を作ってもビジネスにならない。だから怪しんだ。怪しんでることをクラウディオさんに伝えた。

クラウディオさんは困った。
困ってある人物に助けを求めた。それが、クラウディオさん率いるオクタゴンスタジオが過去に画集をつくった日本人作家「怪人ふくふく先生」である。クラウディオさんはふくふく先生に「にーおっと先生に詐欺じゃないって伝えて!」と頼んだ。私はふくふく先生とやり取りして、ようやくプロジェクトの全貌を知った。

プロジェクトの内容は単純だ。無名の私を売り出すためにクラウドファンディングで全世界から資金を募る。私をもともと知っている人、クラウドファンディングで知った人から資金を募るのだ。そういうことか。成功すれば利益がでるね。失敗するとタダ働きだ。

ふくふく先生の親切なメールとクラウディオさんの熱意で、ようやく私は話を信じることが出来た。乗ってみようと思った。なんせ画集を出すのは子供の頃からの夢だ。というかイラストレーターか画家になれば、自動的に画集が出版されると思っていた。現実はそんなに甘くないのだが…。

ということで、一見詐欺に見えることがチャンスだったりすることもあるね。この件で、いろいろ裏を取って信用に足る情報を集めることが大事だなって学んだ。

そして紆余曲折あって1年後、3月5日からクラウドファンディングはじまります!!!これが言いたかった!!!

The art of Nii-Otto. (@Kickstarter_JP より) https://www.kickstarter.com/projects/octagonstudio/the-art-of-nii-otto?ref=android_project_share

ちなみにクラウディオさんのスタジオの仲間には「天使」さんもいる。2人のSNSとか見てると日本作品推しのゴリゴリのオタクなんだなって思う。

最後に、クラウドファンディングって打とうとするとクラウディオが予測変換ででてくる。サンキュークラウディオ

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