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林房雄「大東亜戦争肯定論」~大東亜百年戦争~

表現者クライテリオンの藤井聡編集長の紹介で林房雄「大東亜戦争肯定論」を知った。

林房雄は文芸評論家。小林秀雄や川端康成と共に活動し、三島由紀夫との交流もあったというから、その思想は自ずと知れる。

この「大東亜戦争肯定論」という書籍は物議を醸したようだ。左翼言論人はもとより東京裁判史観に染まったほとんどの日本人や親米保守派の人間たちにも不評だったことは想像に難くない。

そういう善悪論や戦勝国の洗脳から独立したもっとロングレンジの歴史的な視点から議論をスタートしているところに、この本の特徴がある。

「東亜百年戦争」というロングレンジの視点

林房雄は、江戸時代末期の薩英戦争などの欧米列強との紛争を起点として昭和二十年の大東亜戦争終了まで続いた戦争「大東亜百年戦争」として位置づける。

日露戦争、第一次世界大戦、もろもろはその中に含まれる。

これは、欧米列強の植民地主義/帝国主義に対して独立を維持するために行われた日本の戦いだと。

解説の保阪正康氏はこれを暴論と吐き捨てる。果たしてそうだろうか?

こういう一本筋の通った考え方に沿って歴史を見なければ、全ての歴史的イベントは狂った指導者が起こした事故のようにしか見えなくなってしまう。そして、未来を予測することも困難になるだろう。

東亜百年戦争の結果、日本は連合国の属領と成り果て独立・自尊を失った。しかし、この戦争をきっかけとして亜細亜の多くの国が欧米列強の植民地主義・帝国主義の魔の手から逃れ(日本のおかげとは言わない。きっかけとなったと言おう。)、次々と独立を果たしていった。

いまやアフリカと中東も、欧米に離反しようとしている。

モンゴル帝国の消滅から八百年。世界史の八百年周期説に従うかのように歴史は大きく変わろうとしている。そのきっかけは大東亜百年戦争だったと歴史に記されるときが来るのかもしれない。

日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。