見出し画像

自動車産業の凋落後の新ビジネス

ここでは、急速なEVシフトや中国・アメリカでのビジネス縮小による日本の自動車産業の凋落を前提として、次なる日本の産業について考えたいとおもいます。

自動車産業の凋落の影響

自動車産業が凋落するというのはどういう状況でしょうか?本体の縮小と裾野産業への影響に分けて考えましょう。

本体については販売台数の大幅減という形で現れます。収入が減ると、資産の売却、固定費や研究開発費の削減という形で影響が出てきます。資材の調達先や外注へのコストカットで乗り切ろうという動きも出てくるでしょう。研究開発費のカットについてはEVシフトへのキャッチアップが遅れ(というかもともと強みがないのでキャッチアップてきない。)、負のスパイラルに陥っていくでしょう。
品質は下がり、事故・リコールへのコストがかさみ、外国資本に部分的に買収されて最終的にはカツカツの状態で残ることになるのではないでしょうか?

資産については工場の閉鎖、労働者の解雇・一時帰休など、かつてのアメリカの自動車産業の没落の時と同じです。

裾野産業の生き筋

裾野は生き残りをかけて他の領域に漕ぎ出すでしょう。
まずはコストカットの動きに呼応して、より高い金額で購入してくれるお客様を探し始めるでしょう。これを妨げようとする自動車会社の購買組織の動きがあるかもしれませんが、売れなくなっていれば効果薄です。そして日本政府や行政機関はいつものように傍観です。

ではどうする

自動車メーカー本体は消えるに任せておけば良いと思います。裾野の中小企業が外資系に買収されてしまうのは日本の国力を大きく削ぐことになり危険です。裾野産業を生き残らせる良い方法はないでしょうか?

付加価値の高いものを多品種少量生産しで賃金上昇の正のスパイラルを作る

例えば、人の産業活動を助ける半自動化するための知的な召使(一種のロボットのようなもの)を作る。これを開発製造することは高い付加価値があると思います。付加価値の高いもので、付加価値の低いものも効率よく作る、というのはどうでしょうか?名著『ビジョナリー・カンパニー』の

「時を告げるのではなく、時計の作り方を教える」

ということに近い考え方です。

類似のコンセプト

グローバリストの代表の集まりみたいなダボス会議。好きではないのですが、日本の生き筋を示すものとして第四産業革命やインダストリー4.0で言われている、高付加価値多品種少量生産を目指すことは、前記の話に似ています。

前述したとおり、コモディティの生産や農林水産業やサービス業なども、第四次産業革命で生み出された知的な召使を使って、日本国内で生み出せるようにするのです。中国などの外国に出さず、日本のGDPを取り返すことが重要です。そして、余剰生産物を輸出に回せば良いのです。

輸入が減ると日本の国際的な発言力が減るのでは?

金満日本は世界中から物を買っていたので、購買先の国々からお得意様として扱われていたところもあるでしょう。そして、それが国際的な発言力につながっていたところもあると思います。でも、それらは既になくなりつつあります。過去の栄光は忘れて、国を建て直すときが来ました。

日本から自動車産業が消えて無くなるとき、「海外重視で身の丈以上に肥え太ってしまい、市場がシュリンクしたときに身体を維持することができなくなったからだ」と揶揄されるようになるのではないでしょうか?

日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。