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21世紀の新ドイツ帝国の台頭

トッドの『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』を読んでいて、ウクライナ戦争の果てにNATOやEUの解体とこれらを吸収した新ドイツ帝国の台頭があるかもしれないと思えてきた。

トッドはイギリス好きのドイツ嫌いのフランス人人類学者という印象だ。だから、彼の言うドイツ脅威論は偏向しているのではないか?とも思う。しかし、ブレグジットの実現やフランス大統領選挙での争点などから、ヨーロッパの強国がドイツ支配を逃れようとしていることが見て取れる。

まんざらありえない話なのかもしれない。

しかも、台頭してくるドイツはロシアに融和的とまでは言わなくても天然ガスの輸入は継続しなければならない。天然ガスの4割をロシアに依存して備蓄も少ない現況では致し方がないとも言えるが、メルケル氏があえてそのような立場を取ってきたようにも見える。必然、封じ込めに協力せずにつかず離れずの立場を維持するということになる。。

これは、日本の安全保障に大きな影響がある。

中国、インド、ドイツの三国がロシア封じ込めに協力しないという情況ができると、現在のロシア孤立化戦略は頓挫する。これがアメリカの戦略通りなのか意図せざる結果かは知らないが、日本にとっては好ましからざる状態と考える。

中露朝の三国による日本侵攻の敷居が、今まで以上に下がるからだ。

日本時間の令和4年4月25日にはフランス大統領選挙の行方がわかる。確度は低いがルペン氏当選の場合には、フランスとドイツは疎遠になり止めるものはなくなる。ドイツはフリーハンドとなりロシア擁護の立場を鮮明にするかもしれない。

日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。