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電子書籍と紙書籍の出版戦略

Amazonで電子書籍と紙書籍の両方が出版できるようになって早2か月が経過しました。今までは出版社から出版された紙の本を電子書籍にするパターンが主流でしたが、今後は個人作家が出した電子書籍を紙書籍でも出版するっていうパターンが増えてくるのかと思います。

紙書籍と電子書籍では当然適したレイアウトから販売戦略まで大きく異なってきます。そこで、今回は私が出版してきた中で、出版戦略の違いを述べていきます。

レイアウト

紙書籍は見開きページですが、電子書籍は片面ページです。よって紙書籍は見開きで情報が完結していればOKですが、電子は片面ページのみで完結させる必要があります。

逆に紙書籍は問題形式だと、逆のページに答えが見えないようにページの割り振りをする必要がありますが、電子書籍ではそのような制約はありません。

ページ数

電子書籍は読み放題で読まれたページ数が売り上げに大きく影響します。よって、読者が飽きないようにしつつページ内の情報を減らしてページ数を嵩増しすることで売り上げを上げることができます。
指しこなす本形式は有用で、通常の定跡書が1ページ3図面なのに対し、指しこなす本は1ページ2図面。問題と答えを分ければ1ページ1図面でさらに嵩増しすることができます(ただしページめくりを面倒と感じさせない工夫は必要)

一方で、紙書籍は印刷代がかかるので、1ページあたりの情報量は詰め込んでなるべくページ数を減らした方が利益率を上げることができます。Amazonは紙の大きさで印刷代が変わらないので、情報を詰め込んだ大型本を安く作ることができます(将棋年鑑サイズとか)。大型高級本が利益率の高いドル箱商品になるのではないかと思います。

逆に言えば指しこなす本はページ数が増えてしまうので、印刷代が高くつき、利益率が低くなりますね。

まとめ

電子版と紙版では見やすさや利益率の優れたレイアウトが異なるので、原稿の版組を変えたほうが良いかもしれない。


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