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情報発信に翻訳機能のあるSNSを活用

鶴田知佳子

2022年7月29日読売新聞夕刊で、面白い記事をみつけた。『防犯情報「やさしく」発信』『外国人向けFB好評』という群馬県警の試みを紹介している。例として挙っている、群馬県警の外国人向けフェイスブックのページは、熊の出没を知らせている。

クマの出没に注意してください、と言う記事は、群馬県のホームページに出ている。
https://www.pref.gunma.jp/04/e23g_00021.html

フェイスブック(FB)のページはこの情報にふりがなをつけ、さらに平易な日本語にする工夫が施されている。

この新聞記事より引用するとFBページが出来た経緯は以下のとおりである。
群馬県警は今年4月、外国人向けFBを開設した。県警によると、外国人に特化した公式SNS都道府県警で初めてである。群馬県では昨年、392人の外国人が摘発され、10年前の1.5倍に増えた。摘発者に占める外国人の割合が10.4%に達し、3年連続で全国最高である。県内には昨年末現在で112カ国から来た6万人超の外国人住民が生活する。それぞれの言語でメッセージを伝えることは困難だった。FBには翻訳機能があるところに着目、県警が昨年もっともよく使うSNSをたずねるアンケートを県内の外国人に実施したところ、有効回答者611人の8割がFBを挙げたことも、FBの開設を後押ししたという。

ちなみに、外国ではどうなのだろうと試しにアメリカの北の州バーモント州の例をみた。
https://www.americanimmigrationcouncil.org/research/immigrants-in-vermont
少し前の数字であるが、2018年に30,813人の外国生まれの住民が在住、これは州の人口の5%にあたる。バーモント州警察のホームページをみると、すでにFBのページがある。
https://www.facebook.com/VermontStatePolice/

アメリカの場合でもSNSの翻訳機能が活用されているのかはわからないが、平易な日本語に加えて翻訳機能を使ってそれぞれの母語でも読めるようにしたのは、一歩前進である。外国人住人の割合は、群馬県の人口は2019年10月に194万、上述の新聞記事によると外国人住民の人数が6万とすると3%、日本の人口に占める外国人の割合は総務省の発表によると1.03%なので、かなり高い。総人口に占める外国人の割合からみると、東京都、愛知県に次いで全国で3位なのだ。群馬県東部の大泉町は日系ブラジル人が多いので知られる。日本在住外国人に翻訳機能のあるSNSを使った情報発信は、興味深い的確な試みといえる。

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