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怪異実話(30) -清正公のお守りのこと- ●
#00314 2014.9.14
備後国三原村に正作という者がおり、正直で信心深く、(加藤)清正公の霊応あらたかなことを聞いて尊信していました。
ある日、隣家より出火した時、正作の家は風下で、折しも風が強かったため、家内の者は大いに騒いで狼狽していましたが正作は少しも驚かず、一心不乱に清正神を祈ったところ、俄(にわ)かに風向きが変わり、正作の家は無難でした。
その折に近所から見た人がいうには、「正作の家に火が燃え移ろうとした時、異なる装束を召された神人が家屋の棟に現れ給い、燃える火を団扇で打ち払って防いでいる内に風向きが変わり、火災を逃れた」とのことでした。
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