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『幽界物語』の研究(47) -歴史上の人物の霊魂の行方- ●

#00277 2014.2.7

参澤先生より書簡で問「先年、米穀高価の時、大阪市中を焼き払った大塩平八郎家忠の屍(しかばね)を埋めた地より異虫が数多(あまた)出たのは、魂が虫に成ったのでしょうか。その後、度々火災があるのは彼の業(わざ)か、党類の荒(すさ)びか、いかがでしょうか。」
利仙君より答「平八郎は鬼官の宜しき所に在る。虫には成っていない。この者は善にも強く、悪にも強い人である。その後の火災は怨魂ではなく、平八郎を不憫に思う妖魔共の暴(あら)びであると申し伝える。」

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