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天地組織之原理(38) -前世界と後世界- ●

#00797 2022.9.18

 こゝに初学の為、聊(いささ)か注意を加へ置くのでありますが、これまで講述したる物質凝固世期と違ひ第二期より造化の気運大変遷なるによりて、以下講述する所は事々物々変化玄妙のことのみ多きが故に、初学の人は奇談とか怪談とか思はるゝものにて、一つとして疑点無きものは非ざるべきと思ふ程でありますから、この期の伝を講究するには如何なる玄妙ありとも造化気運の然らしむる所と云ふ着眼にて講究になりたひのであります。
 
 総て人間は人間外のことはまず知れぬ道理で、他界のことは疑ひの起こるも尤ものことでありますが、今仮に海底に住む魚類に思想あるものとして、その魚に向って「汝は水界に住んで居るから水中が習慣となりて、その水界のことを規矩(きく)とするが汝等の常なるが故に、その水界の外に気界と云ふ界がありて人間と云ふものこの界に住んで、その人間界には八百万(やおよろず)の人が自由自在に遊び暮らして、食事とても皆火食と云ふて火を以てこれを炊き、汝等が知らぬ上界なり」と云ふとも、その魚類の考へには「己の住める水界の外に気界と云ふ界があるべき理(ことわり)無し。水を離るれば飲食は素より息をすることさへ出来ぬ理なれば、生活すべきものに非ず。然るに何ぞ火があるべき云はれ無し」と云ふのであります。
 
 尚この魚に向って人間の造り出す所の製作物の如きものを示せば、その作為すべき理(ことわり)の解せざるより、丁度人間に即化奇成の神術により成れるものを示すと同じく、奇とも怪とも思ふ外は無ひのであります。 #0779【天地組織之原理(20) -即化の神術-】>>
 これを人間から見る時は夏虫氷を疑ふの類でありますが、今余(よ)が神伝に随ってこれ以後に於て神界のことを説明するもその通りなるものにて、水界と気界とは同じ顕界にて相接したる隣界で、今日の人間が住んで居る顕界と神界とは水界と気界との違ひより更に一段違ふのであります。

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