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『異境備忘録』の研究(21) -幽界の羽団扇- ●

#00336 2015.1.27

「杉山僧正、大山僧正、火衣僧正等の飛行する時は、小鷹大鷹飛行の三印を結びて後、団扇を以て先を差し飛行するなり。」(『異境備忘録』)
「大山僧正、杉山僧正の大空より志したる山に下るには、雲霧にてその山も見えぬ時は空より九字を切り、次に指にて○、十、口を書き、風神と三唱して、十文字の中と思ふ所を口にて吹き、次に羽団扇(はうちわ)を左右に振りて両手に持ちて頭上に上げて横にして、吹きたる所と思ふ所に下すなり。かくすれば忽(たちま)ち雲霧晴れ、山々の峯も見ゆるなり。」(『異境備忘録』)
「明治八年十月九日、清定君に伴はれて朝鮮国に赴く。この時、空中より件(くだん)の団扇の目鏡にて地上の宮社を見て、その社の上を避(よ)けるなり。」(『幽界記』)

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