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『本朝神仙記伝』の研究(66) -金獄新左衛門- ●

#00448 2016.12.4

 金獄(かながだけ)の新左衛門は、その元、何国の者と云ふこと詳らかにせず。いつの頃よりか、甲斐国逸見筋(へんみすじ)なる金獄の深山に在りて変異を現はす。全体鬼形に化して、常にこの山岳を廻り、時に或は風雨雷電を起こし、その猛烈実に恐るべきものなりと云へり。逸見筋の農家、彼が怒りを恐れて新左衛門と云ふ名を付けたりとも云へり。

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