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『異境備忘録』の研究(20) -天狗界の飛行法- ●

#00335 2015.1.21

 神仙の飛行の話に触れたついでに、水位先生が実見された山人達の飛行の練習振りを『異境備忘録』より抄出してみたいと思います。
 
「天狗界に入りたる新参の飛行の稽古をするを見たる事あり。その状(さま)は、深山の高き岩上にて僧正一人立ちて、径(さしわたし)一尺五寸ばかりの磁石針の付きたる物に二ヶ所穴ありて、西洋時計に似たるを仰向けに置きて、その穴にねぢを入れて四十度ほど巻きければ、右の器の横より一尺五寸ばかりの針出てビリビリと振るひ動き、ブンブンと音するなり。

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