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『幽界物語』の研究(50) -菅原道真公のこと- ●

#00281 2014.3.3

参澤先生より書簡で問「天満大自在天神と申す菅原大神の御本体は何れの境に在られるのでしょうか。また、鞍馬の僧正坊は何人(なんびと)の霊でしょうか。狗賓(ぐひん)というものはどのような意味でしょうか。天狗は俗称でしょうか。」
利仙君より答「道真大神は天上界に坐(ま)す天仙である。天満大自在天神は幽界より出た名である。現界の御社に坐すのは、その御分形の神である。鞍馬僧正坊は聖武天皇の霊が成られたものである。
 また、山霊(やまのかみ)や山精(こだま)を狗賓と書くのは人界の文字で、仙境では愚賓と書く。愚というのは、元は皆仏法を迷信して正しき神仙の道を知らない愚癡(ぐち)の人だからである。
 愚賓は外武の刑官で交替に出没するが、神仙の方へ参勤する愚賓は仏法を好まない筋である。しかしながら、鞍馬僧正坊は僧官に進む法定である。また、人界で山霊・山精・境鳥(たかとり)を大天狗・小天狗・木葉(こっぱ)天狗と云うのは宜しくないことである。」 #0235【『幽界物語』の研究(5) -幽界の位階-】>> #0236【『幽界物語』の研究(6) -愚賓・鬼とは?-】>>

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