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天地組織之原理(90) -天津祝詞の太祝詞言- ●

#00849 2023.7.27

「天香山(あめのかぐやま)の五百津(いほつ)真賢木(まさかき)を根こじにこじて、上枝(ほつえ)に八坂勾璁(やさかのまがたま)の五百津の御(み)すまるの玉を取り著(つ)け、中枝(なかつえ)に八尺鏡(やたのかがみ)を取りかけ、下枝(しつえ)に白(しら)丹寸手(にぎて)青丹寸手を取り垂(し)で、この種々(くさぐさ)の物は布刀玉命(ふとだまのみこと)、布刀御幣(ふとみてぐら)と取り持ちて、天児屋命(あめのこやねのみこと)、布刀詔戸言(ふとのりとごと)を祈(ね)ぎ白(まお)して」
 
 こゝに挙げたる明文に「天香山の五百津真賢木を根こじにこじて」とあるは、この時の神事は前にも弁じ置きたる如く、その元材は悉(ことごと)く天香山より取り給ふことなれば賢木も又同じ山より取り給ふにて、「根こじにこじて」と云ふは根抜にすることなり。「五百津」は毎度ある如く数多きを云ふなり。
 次に「上枝に八坂勾璁の五百津の御すまるの玉を取り著け、中枝に八尺鏡を取りかけ、下枝に白丹寸手青丹寸手を取り垂で」とあるも聞こえたる通り、この前に諸神等の造り給ひし玉と鏡をその賢木の枝に取り著け、下枝に白青の丹寸手を垂れたるなり。「丹寸手」と云ふは和妙(にきたえ)の略言にて、その他この所の明文の解は前に数々あることのみなればこゝには省けり。

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