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『仙境異聞』の研究(27) -慢心は魔道に通ず- ●

#00162 2012.3.25

平田先生:ある日、人々が私の家に集まって様々な話をしていた時に、ある博識ぶった人の噂になり、彼が「神道はとても小さな道である」として、「それほどでもない学問をとても優れているかのようにいって誇るのは慢心の人である」といったことについて、寅吉が次のように語った。
「学問をすることほど良いことはありませんが、真の道理の至極まで学び至る人は少なく、大概は中途半端な学問をして、書物をたくさん知っていることを鼻にかけて、書物を知らない人を見下し、神は存在しないだの、仙人や天狗はいないだの、奇怪なことなどないだの、そのような道理はないなどと云って我意を張りますが、これは全て中途半端な学問をして、高慢で心が狭いためです。書物に記してあることでも、実際に見ると間違っていることはいくらでもあります。

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