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天地組織之原理(150) -天皇命の高御座- ●

#00909 2024.7.21

 こゝに又云ふべきことあり。三種の神宝は崇神天皇の御代までは天皇命(すめらみこと)と同じ御殿(みあらか)に斎(いつ)き祭り給ひしを、同じ御代より大御稜威(おおみいつ)を畏(かしこ)み給ひて鏡と剣の二種は別所に斎き祭り給ふ事となりて、今天皇命の御許に坐しますはその時に写し給ふ御写しの鏡・剣なり。
 
 その本(もと)の御鏡は云ふまでも無く伊勢に斎き祭り給ふ天照大御神の御魂代(みたましろ)、御剣は今尾張の熱田に斎き祭り給ひ、三種の神宝の中にて玉のみ本の儘にて今に天皇命の高御座(たかみくら)を離れ給はぬは如何なる故ならんと考ふるに、この勾玉は天之御中主大神の御魂代にして、天津日嗣(あまつひつぎ)の高御座は国土顕政の大主宰たる天皇命の坐します御座なるが故に、天地の本の大主宰と坐す神の御徳(みいつ)備はり給ふ勾玉のこの御座を動き給ふは得あるまじき理(ことわり)なれば、崇神天皇の御代にも神の御心として自ずから別所へは動き給はぬ事とはなしたるなるべしと畏きことながらも窺ひ奉らるゝなり。
 
 この勾玉もこの時鏡・剣と共に別所に移し斎き祭り給ひて人の近く拝し奉る事となし給ひなば、天照大御神の大宮の如く世の人もよくその大御徳を知るべきは、伊勢・熱田の二種の神宝たる御魂代を人の尊び拝し奉るにても知るべきを、勾玉の一種はかく神の御心として天皇命の大宮内に深く隠れ給ふが故にこれを天之御中主大神の大御魂代とも世の人の知らざりしを、今それと窺ひ奉らるゝは吾天皇命の御徳の御盛りに向ふ時なるかも。

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