副大統領って重要?討論会の勝者は?
アメリカの大統領選挙の投票日までちょうど1ヶ月を切りました。あらゆる世論調査でハリスのリードは健在で、ハリス vs トランプの討論会以降の状況は大きく変わってません。
それでも緊張は確実に高まってます。
トランプの勝ち道は十分残っているわけだし、負けたとしても結果を素直に受け止めるとはとても思えません。バイデン大統領も先日、記者との話で選挙戦が「自由で公正なものになると確信しているが、平和的かどうかは分からない。トランプ氏のこれまでの発言や、前回の大統領選の結果が気に入らなかった時の発言は非常に危険だ」と話したし、ハリスが一般投票も選挙人投票も圧倒的に勝たない限りトランプの発言による不安定な状況は続きます。
2020年の議事堂乱入事件を思い出せば、副大統領だったペンスの存在がどれぐらい重要だったか、痛感します。トランプ陣営の負けても勝つ戦略の中で、1月6日の次期大統領が決定する儀式に、ペンスはその票を認めずに、投票の不正を訴えてもらう予定でした。
がしかし、トランプの「イエスマン(キリスト教でもあるからダブルミーニングですね)」として選ばれたペンスはアメリカの憲法を守るという英断をして、そのおかげでアメリカの民主主義はギリギリ生き延びました。
「結局何するの?」とよく思われる副大統領はああいう非常時こそ非常に重要人物になります。
その副大統領の座をかけた討論会は先週行われました。
先に勝者を言いましょう。
今回に関して、総合的なプラスとマイナスを考えれば、優勝は・・・
共和党候補のJ・D・バンスでした!
ネルソンからまさかの言葉です。
もちろん、バンスの発言の内容には色々と間違った情報があったり、問題だらけで本来はアウトですが、残念ながら私たちは「ポスト真実」時代の真っ最中です。
そして今回の討論会に参加するにあたってトランプ陣営の条件の一つは「ファクトチェックをしないこと」でした。ファクトチェックのない討論会・・・矛盾だらけですが、何もないよりはマシ?ってわけでもないな。どうしよう。とりあえず本題に戻ります。
そもそも世間的でいえば、バンスの集会での発言や選挙活動中の恥ずかしい場面はたくさん報道されていたからか、ポジティブな印象を残すためのハードルはだいぶ低く設置されてました。
民主党候補のワルズはその逆で、好印象だらけの報道の影響で、さらにいい印象を残すために越えないといけないハードルはとても高かったです。
あと、高学歴なだけに、バンスは普通に頭がいいんです。回転も早くて、20歳年上のワルズよりも発言の説得力があって、エリート大学で培った話術は確かなものでした。
討論会直後のCNN調査を見ても51%でわずかですがJ・D・バンスが勝ったという結果でした。
大統領選は残り1ヶ月。まだまだわかりません。
その中で、一番怖いのは、トランプの負けても勝つ戦略第2弾です。
副大統領討論会の最後に、ワルズは直接バンスに「トランプ氏は2020年の大統領選で敗れましたか?」と聞いたら、バンスは「ティム、私は未来に焦点を当てています」とその質問を華麗にかわしました。
「That's a damning non answer(それは致命的な無回答だ)」とワルズがすぐ返しました。
ってことは、仮に2020年の時点で、トランプの副大統領はペンスではなくバンスだったとしたら、アメリカの民主主義は無事だったのだろうか。
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