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Tết休暇にベトナム中部へ(隔離施設へ)

前回の記事では、Đà Nẵngへ入れずHuếに逆戻りし、ホテルで隔離宣告を受けたというところまで。

隔離施設へ向かう当日、ホテルの朝食を食べながら、いろいろなことを考えました。周囲にも迷惑をかけないよう、細心の注意を払っていましたが、そもそもこの時期に軽率な行動だったということや、もし自分が感染していたとなれば、旅先でお世話になった人にどれだけ迷惑をかけることになるだろうかと、気持ちはどん底。

14時頃に、隔離施設へ向かうための救急車がホテルに到着。既に2人のベトナム人が乗っていました。いつもと変わらないであろうにぎやかな通りを抜け、Huếの町外れにある隔離施設へ到着。見た目は、9階建ての学校のようなところで、棟が二つに分かれていました。反対側の棟には、既に結構な数のベトナム人が泊っており、思い思いの過ごし方をしているようでした。

そしていよいよ部屋に案内されます。Hà Nộiにある隔離施設をネット等で見たことがあったので、9日間ぐらいは生活できるだろうと高を括っていたわけですが、見事に裏切られます。渡されたものは、洗濯桶と洗濯洗剤、シャンプーに固形石鹸、歯磨き粉、トイレットペーパーの基本的なもの。私はなぜか離れ小島の9階の一室に連れて行かれたわけですが、部屋に入るとすのこが一つ。案内してくれた兵役中の子にどうやって寝るのか聞くと、すのこの上にゴザを引き、洗っていないであろう布団をかけて寝るとのこと。衝撃でした。コロナ感染の前に、ダニにやられてしまうよ…。洗面所とトイレ、シャワーもあり、お湯はしっかりでましたが、天井には大きな穴が開いていて、廃れた感じが否めません。さらに、Wi-Fi環境もがあるわけでもなく、どう時間をつぶせばよいのでしょうか。

隔離施設は基本的に無料で、食事も3食しっかり持ってきてくれますが、正直耐える自信はありませんでした。さらに外国人は私だけ。判断基準もなく、ベトナム人にとっては普通なのかと。あとあと、学生に聞きましたが、ベトナム人でもそこには住めないと言われたので、私の感覚は間違ってなかったんだと思います。

「でも、先生、隔離ですからそこにいなければなりません。」

そうですけど、これはさすがに。さらに追い打ちをかけることになったのは、何か必要なものや困ったことがあれば、連絡してくださいと言って渡された頼みの綱である電話番号。連絡しても、たらいまわしにされるばかりで、全く連携もとれておらず、途方にくれていました。Huếの観光局の方や保健所の方の手助けもありましたが、こういう時、やっぱりベトナム語が話せたら違ったんだろうな~という思いと、日本の報連相を大切にする文化のありがたさを身にしみて感じました。

夜は特に孤独でした。電気を消したら真っ暗。でも周りが田んぼなので、電気を消さないと虫が入ってくるのですよね。朝になって、部屋中に大量のコバエが落ちていたのを見てゾッとしました。

結局、一泊隔離施設に泊まり、翌日から隔離ホテルに移動する希望を伝えたわけです。お金がかかってもいいからという判断でした。翌日8時頃にPCR検査を受け、15時頃に隔離ホテルに向かうことになりました。

次回は隔離ホテル編。



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