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みんなの日本語第11課・文型分析まとめ(パワポ画面PDF付)

こんにちは【日本語教師になる】ももこです。
この動画は、日本語を教える人のための動画です。この動画では、日本語の教科書「みんなの日本語」の教材分析をします。文型を分析し文型に関する知識、注意すべき点などをまとめ、動画視聴後、適切な教案・教材が作れる知識を得ている状態を目指します。

今回は、「みんなの日本語第11課」をまとめます。
今回の動画も
● 第11課の概要と学習目標
● 文型
 ① ターゲットの文型を確認する。
 ② 各文型の解説
● この課でできる活動例
● 教師が知っておくべきこと
という内容でまとめていきます。

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● みんなの日本語 第11課 概要と学習目標


第11課の概要

第11課では、数量詞の含まれる文を勉強します。数量詞とは「数詞+助数詞」のことで、数える対象によって助数詞を変えなきゃいけなかったり、一匹、二匹、三匹のように同じ助数詞でも読み方を変えなきゃいけなかったり。学習者にとっては、覚えるのがめんどうなものの一つですが、一つずつしっかりと教えましょう。
 数量詞+います(所有 例:子どもが3人います)
     います(存在 例:1年日本にいます)
     かかります、休みます 
などを使い、文の中に人数や時間や期間の情報=数量詞が入っています。

残念ながら、みんなの日本語は… 
助数詞をまとめて勉強する構造のため、文脈や例文が不自然です。😢場面設定がよくわからないまま、唐突に書いてあって、使用する場面が想像しにくくなっています。
場面設定の補足が必要になります。そこで今回は別の教科書「できる日本語」をヒントにしました!
今回の動画を作るにあたり参考にした文献のタイトルと購入できるサイトのURLを、概要欄にまとめています。「できる日本語」もその中にまとめていますので、まだお持ちでない方は、購入をご検討ください!

第11課の概要を踏まえて今回の          

学習目標

・数量、人数、時間、期間などを言い表すことができる。
これは教え方の手引きに書かれている学習目標です。なんか、これじゃ、ぼんやりしている感じがしませんか?っていうか、「言い表すこと」自体は本来の目的ではないはずです。「言い表した結果、できること」を目標にしたい!私はそう思います。
だからせめて、
・相手に数量、人数、時間、期間などの情報を伝えることができる。とか
・数量、人数、時間、期間などの必要な情報を得ることができる。
の方がいいんじゃないかな?と思います。

さらに、数量詞を使って何かをやろうって考えるなら、もう少し具体的な学習目標として、
・「つ」を学習する授業ではレストランやファーストフード店で注文ができる。
・「人(にん)」を学習する授業では相手に家族について言ったり聞いたりすることができる。
・「頻度」について学習する授業であれば自分や相手のすることの頻度を言ったり聞いたりすることができる。
などが「行動目標」の学習目標として考えられるのではないでしょうか。

もし、「こんな学習目標を考えました!」というアイデアがあれば、ぜひ、コメント欄で教えてください。お待ちしています!   


● 文型

① ターゲットの文型を確認する。

この課で教える文型を確認します。教える文型は練習A(92ページ)にまとめられています。

学習項目一覧でまとめられている文章は、

⒈ みかんが いつつ あります。
⒉ 80えんの きってを 1まい かいました。
⒊ この クラスに りゅうがくせいが ひとり います。
⒋ 1しゅうかんに 1かい えいがを みます。
⒌ くにで 5しゅうかん にほんごを べんきょうしました。
⒍ わたしの くにから にほんまで ひこうきで 4じかん かかります。

このターゲットの文型を文法説明風に書くとこうなります。

⒈ 助数詞「つ」 ひとつ〜とお
⒉ 助数詞「枚」「台」
⒊ 助数詞「人」
⒋ <期間>にー回
⒌ <期間>Vます
⒍ 〜から〜まで<時間・期間>かかります。

1~3で勉強する助数詞「つ」「枚」「台」「人(にん)」は種別辞といい、物の種類や性質によってどの助数詞を使用するかが決まっている助数詞です。

4〜6で勉強する助数詞「週間」「回」「か月」「年」「時間」は単位辞といい、
物の種類や性質による使い分けではなく、単位として使い分ける助数詞です。


各文型の解説をする前に、今回勉強する

「数量詞、数詞、助数詞」について

確認します。

日本語でものを数える際、原則として数字の他に助数詞や単位が必要です。
日本語の数え方は、難しくてめんどくさいものとして敬遠されがちですが、話し手が数える対象をどのように捉えているかを反映するので、言葉の表現の豊かさにつながっています。

例えば、恐ろしい赤鬼がいるとします。この恐ろしい赤鬼をどう数えますか?おそらく「赤鬼が一匹、二匹」と数えるのではないでしょうか?ですが、その赤鬼が皆さんの友達だったらどうでしょうか?きっと「赤鬼が一人、二人」と数えたくなるはずです。このように、その赤鬼が避けたい恐ろしい存在なのか、仲間的存在なのかが、助数詞だけで伝わってきます。

ここで、文法用語の確認をします。

切手が1枚、ハガキが1枚、シャツが1枚など、平たいものを数える「枚」を例に確認します。
「1まい」の「1」の部分を文法用語で「数詞」と言います。
「まい」の部分を「助数詞」と言います。
そして、数詞と助数詞を合わせたものを数量詞と言います。

文法書によって用語の定義が違うこともありますが、今回は「初級を教える人のための日本語文法ハンドブック」を参考にして、このように呼び分けます。

数詞はくっつく助数詞によって3種類に分けられ、初級では2種類知っておく必要があります。

和語数詞と漢語数詞です。

和語数詞は大和言葉で、ひと、ふた、みのような数え方です。 「ひ―ふーみー」という数え方の方が日本人にとっては一般的かもしれません。和語数詞は10(とお)まで使用されます。これに対し、

漢語数詞はいち、に、さん、のような数え方です。

量としては、漢語数詞をくっつけて使う助数詞の方が多いですね。

ちなみに、もう一つは英語数詞で「ワン、ツー、スリー」という数え方です。外来語系の助数詞の場合に使われたりします。ワンパック、ワンゲーム、ワンポイント、ワンステップなどの場合に使います。

第11課で勉強する助数詞は

・つ 
・枚 
・人(にん)
・台 
・回 
・年 
・か月 
・日(にち) 
・週間 
・分  

で、第11課までに勉強した助数詞は

・歳(1) 
・階(3) 
・円(3)      があります。( )の数字は登場した課です。


先ほども言いましたが、日本語では数量を表すときに数字の後ろに助数詞をつけます。そして、日本語の助数詞は一説によると500種類くらいあると言われています。
数えるものが何であるかによって、どの助数詞を使うかが決まっていて、助数詞は数えるものの形や性質をある程度反映しています。ですから、教える際、同じ助数詞を使うものがあれば、その反映されている特徴を伝えると良いと思います。


② 各文型の解説

ここから、この課で学習する各文型について確認していきましょう。

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