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総道コラム12月


              日本人として大切にしたいこと


世界中の人々を不安や苦しみに巻き込んだパンデミックも勢いを弱めたとはいえ
まだまだ 心配な日々を過ごしつつ 早や二年を過ごしております
奇跡的に 我が日本は その勢いを沈めつつあるとはいえ 世界を見渡すとまだまだ感染は拡がりつつ 更には新型の変異ウイルスが発生したといいます
そんな中で 早や十二月 心落ち着かない年末を迎えようとしております
この約二年間にも及ぶ新型コロナ禍で皆様 何を感じ どうお過ごしでしょう
年末年始を迎えるための様々な準備や行事があるこの十二月 
皆様は どうお過ごしになるご予定でしょうか
いつもに増して多忙な師走にこそ「年中行事」は大切に行っていただきたいと願い
ます
「年中行事」とは 毎年決まった時期に行われる日本ならではの行事のことです
身近なもので例えると 冬至・お正月・節分・桃の節句・端午の節句・七夕など 
毎月様々な行事があります
そこで「年中行事」の始まりと由来について解説しましょう

年中行事は稲作がはじまりとも言われます
古来から毎年行われる行事は
中国から伝来したものや日本各地の農村で行われてきたものなどがあります
村や家ごとで行われる年中行事には 田植えを始める儀式の行事・秋の収穫を祝う
儀式の行事や漁での大漁・安全祈願などの農業漁と季節に関わる行事と 暦と
季節に合わせて行われる行事などが挙げられます
古来より そうした行事の数々を村ごとや家ごとで毎年決まった時期に行われて
おりました
そうした中で平安時代になると宮廷で「年中行事」という言葉が作られました
885年には清涼殿に「年中行事御障子文」が置かれ一年間の行事と儀礼の詳細や
方法などが記され「年中行事」という言葉も記されておりました
これが「年中行事」という言葉の始まりとされています
宮廷では毎年決まった時期に決まった行事を行ない やがては武士にも広がって
いきました
また仏教においても 毎年決まった行事を決まった時期に行い 宗教による
「年中行事」も定着していきました

江戸時代になると宮廷と同じように公式の年中行事を定めて行うようになり 大名
から身分の低い武士まで 毎年決まった行事を行い 次第に平民に広がって
いったのです
これが年中行事の由来です
さて 「年中行事」と「伝統行事」とは ほとんど違いはありません
「伝統行事」は 昔から受け継がれてきたもの
「年中行事」もそのほとんどが同じく昔から受け継がれてきたものです
少しわかりやすく言うと「伝統行事」は お祭りや神社などの行事に使われることが
多いものです
近年は 西洋からクリスマスやバレンタインデーやハロウィーンなども入ってきて
今では毎年の恒例行事となっております
「年中行事」は わたくし達日本人が 古来より大切に育み 決まった日に家族全員・地域全体で一斉に行うものです
それは 日本全体・日本人全員が「一致団結」することに通じています
いざというときに 日本人一人ひとりが 「心ひとつ」になれる行為の基礎なのです
是非 こうした行事ごとの意味を知り 楽しみながら行って欲しいものです
さて 意外と皆様 ご存知ない方が多いようなのですが 新築・引っ越しや改装などの
習わしとして「お風呂で蕎麦やうどんをいただく」という習わしがあります
近年は そうした習わしも途絶えつつあるようですが これも大切な習わしの一つです
何故 お風呂の中で 蕎麦やうどんをいただくのか?
それは「末永く生きていけるように」「末永く この家で幸せに暮らせるように」という
願掛けなのです
こうした「習わし」「風習」は 地方ごとに様々なものがあるようです
12月は冬至など 様々な行事でやるべきことがたくさんあります
また そうした大切な行事を実行するチャンスでもあるのです
先の「お風呂で蕎麦やうどん」のような「習わし・行事」は 紛れもなく「縁起担ぎ」
です
自分や家族の暮らし・人生を豊かに より佳きほうへと進めたいと願うなら 迷わず
一つひとつを実行すべきでしょう
そして そうした願いや祈りを強く求めるならば 「暦」について 深く学ぶことです
日本道の教室で「暦」の学びを大切にしているのは そうした日本人としての大切な
基礎を築いて欲しいからです
今の難しい時代にこそ 「手作り」での何かしらにこだわって欲しいものです
とは言っても 例えばお正月を迎える為に「門松」を拵えろと言っても なかなか
難しいものです

昔は 松も竹も身近にあったため 手軽に出来たものでも 今の時代での環境や
状況ではそれは 難しいものです
「手作り」でと言っても 自分でやることの意味は深くとも この時代には難しいことが
多いものです
それは「お金」「時間」「手間暇」といったものが揃い 心のゆとり(余裕)が無いと
出来ないことが多いものです
「門松」を自作でと やることの意味はあれど 現実となると 先ず材料が手に
入らず 時間もお金も整いにくいのです
今の時代と現実に「手作り」が全て良いとは 言いにくいものです
正式な「門松」が出来なくとも 簡素なものでも良いのです
何故するのかという意味を学び 実行することが大切なのです
皆様のできる範囲でよいのです
是非 食事や室礼での工夫を日々の暮らしの中で 育んでくださいますよう願います

日本の「行事」に 想うこと
それは 日本人が大切に育み 伝え 行ってきた「行事」に「日本人の智慧」が集約
されているものだということ
その真髄を今こそ日本道で正しく学び 伝え そして何より「行うこと」を今一度 皆様と実行していきたいということです


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