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3.夢遊病から復帰して大活躍

にへどん(けさらんぱさらん研究所)によるインタビュー「ボーグ自然公園管理者:ノガワ・ユキオ氏」

にへどん:
 本日は 『アサヒ沼』 を中心とした 『B地区』 に本日オープンすることになりました 『ボーグ自然公園』 の管理者であるノガワさんからお話を聞きたいと思います。
 ノガワさんよろしくお願いします。

ノガワ:
 よろしくお願いします。ちなみにボクがここに来たことは絶対に公言しないで下さい、いいですね(※1)。

にへどん:
 え、どういうことですか?

ノガワ:
 あ、すみません、特に意味は無いんです。単なるボクの口癖なので、気にしないでください。

にへどん:
 なるほど、わかりました・・・。
 ところで、この 『ボーグ自然公園』 なのですが、だいぶ前にある事件で大規模に爆破されてしまった地域を復興させる目的で作られたのですよね。
 ノガワさんは、復興工事そのものにもご尽力されたということですが、そのあたりの経緯を教えていただけますか。

ノガワ:
 
はい。あれは、まだボクが妻と結婚する前、彼女と二人でこのア サヒ沼近辺をドライブしていたときのことだったのですが、実は、その日の前夜、アサヒ沼に大きな隕石が落ちたんですよ。
 その時はそんな隕石のことなど知らず、彼女とドライブを楽しんでいたのですが、どうもその隕石の影響なのか、ボクの車の調子がおかしくなりまして、その後、ボクも妻も一時的に記憶をなくしてしまったのです。(※2)

にへどん:
 それは大変でしたね。隕石の磁力か何かが原因だったのですか?

ノガワ:
 詳しいことは解らないのですが、隕石が原因なのは確かなようですね。その後も、B地区では似たような事件が相次ぎましたので。
 その時、妻は近くをハイキングしていたグループに病院に運ばれ、ボクはしばらく夢遊病者のようにあたりをさ迷った後、翌日、少し離れた当時の職場に歩いてたどり着いたというわけです。

にへどん:
 お二人とも無事だったのは何よりですね。
 それにしても不思議な体験ですね。

ノガワ:
 ええ、ほんと不思議な体験でした。
 実は当時のボクの職場というのは、ま、いわゆる防衛に係る国家組織でして、その後、その組織がアサヒ沼に落ちた隕石を破壊することになったのですよ。

にへどん:
 もう10年ぐらい前のことですよね。たしか、上空からかなり強力な爆弾を落としたんでしたっけ。

ノガワ:
 はい、まずは 『熱ミサイル』 を使って湖水を蒸発させて隕石を露出し、その後、標的に張り付くようにして破片を飛び散らせないように爆破させる、当時の最新兵器 『マグネティックセブン』 という爆弾を使って、隕石を破壊したのです。(※3)
 残骸は回収されましたので、その後は隕石による被害は無くなったのですが、その爆破活動のために、近隣の森は焼き払われ、湖水は蒸発し、かつての美しかった通称 『B地区』 が荒れ地になってしまったのです。

にへどん:
 荒れ地となった 『B地区』 を復興させる目的で作られたのがこの 『ボーグ自然公園』 というわけですね。

ノガワ:
 そうなんです。
 ただ、復興プロジェクトそのものは隕石爆破の直後からスタートしたのですが、予算がつかなくてなかなか前に進まなかったのですよ。
 しかし、ボクは当時その破壊活動をおこなった機関で通信技師をしていましたし、なにしろボクもそしてボクの妻もその隕石の被害者の一人でもあるわけで、とても他人事ではいられなくなったのです。
 それで異動願を出して復興プロジェクトに途中参加したというわけです。『妻のサナエ』 もボランティアとして協力してくれました。

にへどん:
 それは良いお話ですね。
 でも、予算がつかないということだと、ノガワさんがプロジェクトに参加してからも大変だったんじゃないですか。

ノガワ:
 ま、確かに予算はつかなかったんですけど、なんと言いますか、ボクが隕石の影響で夢遊病者になっていたときに、ま、いわゆるアレなことが起きましてね・・・。
 つまりですね、ボクの体力が極端に向上したのですよ。
 健康診断をしてくれた防衛組織の 『キタムラ博士』 というお医者さんなんか 『完全ではないが、サイボーグになったようだ』 とまで言われましたからねぇ(笑) 。(※4)
 そんなわけで、ボクは昼夜を通して荒れ地を整地していたのですが、まったく疲れを感じませんでした。しかもほとんど素手で作業をしたのですよ(笑)。

にへどん:
 それは隕石による効果だったのでしょうか。
 そういえば 『ボーグ自然公園』 の資料館には、折れた大木や砕けた巨大な岩を担いで運んでいるノガワさんの写真がいくつか貼ってありましたけど、あれって合成写真じゃなく、実際にやられたことだったのですね。

ノガワ:
 はい、そうなんです。
 写真を展示するのは恥ずかしいからやめてくれって言ったのですが、『ボーグ自然公園』 の良い宣伝にもなるからって、上司が強く言うもんですから。

にへどん:
 それは大々的に宣伝したいですねぇ。
 ところで今でもノガワさんはそんな怪力なんですか?

ノガワ:
 そうなんですよ、隕石事件からはだいぶ年月が経つのにいまだ怪力のままで、それに凄く強靭なんです。
 おそらく相手がたとえ 『宇宙からやってきたヒーロー』 だったとしても 『変身前の姿での攻撃』 なら、何発殴られてもビクともしないでしょうし、こちらが攻撃すれば一発でノックアウトできるでしょうね(笑)。(※5)

にへどん:
 もしかしたら隕石によって夢遊病者になっていたときに『宇宙人に改造された』 のかもしれませんねぇ(笑)。

ノガワ:
 ははは、いやー、冗談がお上手ですねぇ(笑)。
 でも不思議なことは肉体の事だけではないのです。ボクは通信技師だったので、爆弾の取り扱いなんてまったく知らなかったのですが、いつのまにか爆弾のエキスパート的な技術が身についていたんですよ。『B地区』 復興工事のときにもその技術を駆使して巨大な岩を爆破していましたからね。
 その時使ったのが 『プレート弾』 という爆弾なのですが、どこでそんな知識を覚えたんだろう。今、考えても不思議ですよね。 (※6)

にへどん:
 ますます宇宙人に改造された疑いが濃厚になりましたねぇ(笑)。
 でも、そのおかげで低予算でかつ短い期間にこんな素晴らしい自然公園ができたのですから、宇宙人様々ですよ(笑)。

ノガワ:
 ま、そういうことにしておきましょうか(笑)。
 『この新しい生命をそのために使ってみる』 ことにしてみますか(笑)。

にへどん:
 それが良いですね。きっとその宇宙人も喜ぶはずです。
 ところで、改造による副作用とかはないのですか(笑)。

ノガワ:
 ははは、ま、あえて言うなら、たまに、ホンのたまにですが、記憶が無くなることがあるんですよね。
 ま、ボクももう年ですから、忘れっぽくなったんでしょうね。

にへどん:
 ということはもしかしたら、まだ頭の中に 『催眠プレート』 が残っているのかもしれませんね(笑)。

ノガワ:
 だとすると大変ですね(笑)。
 そういえば、1つ残っていた 『プレート弾』、ちゃんとしまったかなぁ。
 『あれ一つだけでもこの施設を粉々にする破壊力があります』 し、もうすぐ 『ボーグ自然公園』 がオープンするので、こんな時に爆発したら大勢の来場者が吹っ飛んでしまいますよ・・・。あれ、ちょっと心配だなぁ・・・。

にへどん:
 ははは、冗談がお上手なのはノガワさんの方ですよ(笑)。
 それではオープン時間も迫っていますし、『プレート弾』 を探しださなければならないでしょうから、インタビューはこれで終わりにしたいと思います。私としてもとっとと逃げ出したいですしね(笑)。
 ノガワさん、ありがとうございました。

ノガワ:
 ありがとうございました。


※1:ウルトラセブン第27話「サイボーグ作戦」にて、行方不明から突如戻ったノガワ隊員が妻に伝えた台詞。
※2:「サイボーグ作戦」にて、ボーグ星人によって引き起こされた事件。
※3:隕石を破壊するために「ウルトラ警備隊」が行った、環境に全く留意しない作戦。
※4:ノガワ隊員は、頭に「催眠プレート」を埋め込まれただけのような気がしたが、異常に強くなっていた。
※5:「ほぼサイボーグ化された」ノガワ隊員はモロボシ・ダンをまるで子ども扱いでした。
※6:ノガワ隊員はボーグ星人の誘導で、「プレート爆弾」を使って、ウルトラ警備隊基地を爆破しようとしていた。

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