一口馬主のあれこれ呟き ~④「一口沼」とは~

にわです。ご無沙汰しております。

前回の投稿は途中で力尽きて申し訳ありません。
無駄な計算でダラダラ長くなっちゃったので一旦〆ちゃいました。

前回は「結果一口で儲けるのは無理ゲー」に対して、
「(略)ここで一口やってない人から(特に家族・親戚)言われるのは「じゃあなんでやってるの?」です。
確かに99.99%儲からないのを分かっててやってる意味が分からないでしょうし、応援したい馬がいるなら馬券買うだけや金掛らないPOGで指名するだけじゃダメなの?って話です。実に正しい指摘です。ぐうの音も出ません。
ではなぜ我々一口ファンは沼にはまって辞められないのか?(以下略)」について、「それでも辞められない一口馬主」の理由を自分なりに考えてみました。

①それでも夢がある
近年は日本に限らず世界的に競馬の賞金は上昇傾向で、今年も1着賞金10億円のサウジカップを広尾サラブレッドのパンサラッサが勝っており、一発ハマればとんでもない賞金を手にすることが出来ます。
国内においても昔から活躍馬を輩出してる社台・ノーザン系1/40口クラブ以外の1/数百口のクラブでも複数G1競走を勝ったクラブ馬が多く生まれています。
正直、儲けを期待していないと言いつつもこういう「バカ当たり」を引くかも?っていうのは期待してないと言えば噓になるかなと思います。

クラブ的にもそういう馬の出現は有難い話ですし、会員増の大きな要因になります(ノルマンディが一躍「出資しにくいクラブ」になったと言われてますね)ので、庶民向けの小口クラブでも多少値が張っても夢が見れそうな馬をラインナップに入れたりしてます。
DMMがクラブ立ち上げの目玉でラヴズオンリーユーをはじめ数頭2-3億円で募集して話題になりましたね。(10000口って昔の友駿の無料提供馬みたいな口数でしたが)
回収無理じゃんって思ったものですがまさかラヴズオンリーユーが大幅プラスまで持ってくるとは思いませんでした。
個人的には総額5000万超える馬は広尾で懲りたのもありますが走らなかった時のリスクや精神的ダメージもお値段に比例するのであまり魅力には感じてないのですが、ただそのクラスに出資しないとなかなか夢を見るのも難しいのかなとも感じてます。

下剋上(判官贔屓)は日本人の性
とはいえ「安い馬」に夢は無いかと言えば決してそうではなく、むしろ夢の塊なわけです。
最近では南関東の三冠馬ミックファイアが販売額500万円だったことが話題でしたが、少し前では古馬G1完全制覇のテイエムオペラオーがセリで1000万だったり、オグリキャップやイナリワンのような地方からの転厩馬がG1いくつも制覇したり、むしろこういう期待してなかったのに大化けするパターンのほうが醍醐味と言えるのかもしれませんね。
元々出資額が安いので、勝ち上がっただけでも(期待が小さかった分)感動が大きいですし、ましてや一緒に出走した高額馬を負かしたりするのもこれはこれで痛快だったりします。

あと、得てしてこういう募集額の安い馬は血統がマニアックな面があり、意外と古くから続く伝統の牝系であったり、今は直系が廃れた古の名馬が血統表に隠れてたりして面白いですし、その血脈を何とかして活性化させようという生産者の知恵の一端が垣間見れて応援したい気持ちになるのも不思議なものです。

蛇足ですが、出資金額が安いメリットは資金回収が非常に早いというのが現実的な喜びとしてあります。
京サラやYGGの安い馬なら未勝利勝てば募集額をほぼ回収可能ですし、コンスタントに出走して着を稼げば維持費含めてもわずかな負担で楽しめます。いつでも競馬場で会えるってのはそれだけでも魅力ですが、一口を続けていく上でも「丈夫で良く走る」のはお財布面でもマストの能力と思います。
逆にいくら素質があっても出走数の少ない馬はクラブ馬としては決して好ましいとは言えないです。

③馬への思い入れが違う
これが実は一番「沼要素」が大きいのかもしれませんが、一口出資馬と他の馬の決定的な違いって当歳や1歳の段階で「これは」と思う子に実際に「お財布の範囲内で」出資して成長を見守ってる事だと思います。
この「小さい時から見守ってる」感というか、実際に出資馬や同じ馬に出資してる仲間と共有した時間、関係ってのが沼の入り口で、楽しくて仕方ないのです。
これはレースの時だけの関係の馬券遊びやデビューしてからの成績を追いかけるPOGとは楽しみの質が異なるんじゃないかと個人的には思ってます。(上下や善悪ではありません、念のため。好みの問題というだけです)
どちらかと言えば一口は「勝てる馬」を応援するというよりは「引退まで推せる馬」を応援してるイメージです。
日向坂46を「けやき坂」時代から推してる俺すごくね?とか、テレビで王林の活躍を観て「俺、二人時代のりんご娘から知っててさ」みたいなそんな感覚です。余計分かりにくいか。。。

こんな感じで出資してデビューまでの1~2年間が一口沼の第1歩かなと思ってます。特に育成初期段階なんてどの馬も順調(な報告しか来ない)ですから夢ばかり膨らんでしまいます。この妄想だけで出資金実質無料くらいの充足感があります(個人の感想)。

勿論、そんな事より回収率、勝つことが重要と捉える方の方が多いのでしょうが、この「保護者」感を全否定する方は少ないんじゃないかなと思います。

④結論
「一口馬主」というだけでもいろんなスタイルのクラブがあり、超良血馬を1/40口で募集するクラブに入る方というのは主に①番のような楽しみ方がメインになってくるでしょうし(投資額大きいですからね。夢がなきゃ出来ません)、逆にトレンドからは外れたりダート血統の馬でとにかく愛馬の出走を楽しみたい人は②番メインの楽しみ方になるのかなと思います。ただもちろんその組み合わせや優先順は人それぞれの楽しみ方があります。

とはいえ、やっぱり特定の「愛馬」を持って勝てなくても応援し続けるって事に楽しみを見出す(つまり③)事が一口馬主をやる上での根底なのかと感じます。
実際、大成功してるクラブ馬を見て「自分も儲かるかも?」的な動機で始める人も多いと思いますが、まず99%は現実を思い知らされます。でも続ける理由って馬への愛情の有無なのかなと自分なりには考えてます。

以上、私的に考える一口馬主の魅力について、でした。
お読みいただきありがとうございます。




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