何も考えていないし、全てを憎んでいる
塾に行くために駅へ向かう。相変わらず休日の街中は人が多くてうんざりする。ただでさえ急いでいるのに、こんなに道が人で埋まっていたら走れない。しかも人々は皆楽しそうである。受験生の私は全員を呪うような気持ちで有象無象の間を歩く。
乗りたい電車の時間まではあと1分。駅のホームからアナウンスが聞こえる。まだ駅の改札通ってないから、多分乗れないだろう。諦めてゆっくり歩く。
ホームに着く。電車が停まっている。お、乗れるじゃん。そう思った次の瞬間、電車はゆっくりと動き出す。そうか、もう人を降ろしてドアを閉めた後だったのか。あと少しだけ急いでいたら乗れたのかもしれない。僅かの後悔を感じながら、暑くなってコートを脱ぐ。
駅のホームを歩こうとしたが、人が多すぎて歩けない。立ちすくんで西を見ると夕焼けが見えた。夕焼けってどうして何回見ても美しいのだろうか。きっと文明のない時代の人たちは毎日皆で夕焼けを見て、美しいと言い合っていただろう。現代人には夕焼けを見て美しいと感じる人はどれほどいるだろう。そもそも夕焼けなんて皆見ていないのではないか。こんなことを打っていたら、現代文の文章みたいではないかと失望した。文明や現代人を嘆くような人にはなりたくない。
たらたらと文字を連ねながら、私は勉強しなくてはならないのではないかと考える。もうすぐ学校のテストだ。いや、そんなものはどうでもいいが、荘園公領制の勉強はしなくちゃならない。塾の先生は、荘園が一番、受験教科書からなくすべきものだと言っていた。よしなくそう。皆が幸せになればそれでいいじゃないか。
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