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今だからわかる「あれが認知症の始まりサイン」

父は17年前に亡くなりました。まだ72歳でした。
当時はまだ聞きなれない「進行性核上性麻痺」と言うパーキンソン病の一種で、認知症の症状を伴い、身体の自由がきかなくなっていくものでした。

65歳で退職した後、しばらくは孫の面倒も見てくれたりで忙しく過ごしていましたが68歳くらいになるとあまり外出をしなくなり、家にこもりがちだったので「うつ」を疑い心療内科に連れて行き、それから父の介護生活がスタート。進行が早い病気だったので最終的には施設に2年もいないうちに亡くなりました。

今から思うと「あの時から認知症だったかな」と思うエピソードがあります。

小学1年生の孫が自転車で実家に遊びに来ていた時。強い雨が降って来たので、エントランスに置いていた孫の自転車を、濡れないようにカーポートの屋根の下に移動させてと父に頼んだら、

「そんなの後でいい」との返事。

今すぐ移動させないと意味がないのにぃ、と私はなんだかモヤっとしながら息子の自転車を移動しました。いつもだったらすぐやってくれるのに、なんだろう?

この「モヤっ」こそが
父の認知症の「最初のサイン」だったと思います。

  雨が降り出した、
  自転車が濡れると困る、
  だから濡れないところに
  今すぐ移動させないといけない

その判断ができなくなっていたのです。

最近、自分の親の認知症を疑いはじめた友達から
「いつ気がついた?」と聞かれることが多かったので振り返ってみましたが、始まりはこういう些細なことでした。

仕事をしている65歳未満の現役世代の方々は、ミスが重なりトラブルになることも増えるため、自分も周囲も「何かおかしい」と気がつくことも多いでしょう。

しかし退職してからは、家庭内では「契約を左右する大切な準備や約束事」もないので大失敗なく暮らせていけるため、気づきが遅れがちになるのではと思います。(もちろん遅れても家族の責任ではありません)


今は17年前とは違い、認知症外来も当たり前のようにありますし、検査・診断技術も大幅にアップ、新薬の研究も進みました。

なので「モヤっ?」と感じた時に
周りが気づいて早めに診断を受けることは、ご本人にも家族にとっても、大事なことだと思います。



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