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ドジ社長、妻と倒産を話す

くしゃくしゃの一枚の紙

これまでの弊社の事業が、どのようなことがあって、今後どう変わるかを一枚の紙に定性的にまとめていた。メインバンクの営業に話すために。

「事業ごとに試算表をつくっておいてください」と定量的にしか検討されないのはわかっていても、大まかに意図や狙い、経緯を知っておいて欲しかったためにつくったプレゼン資料なので無駄ではなかった、と思いたい。

しかし、どうも私は昔からモノの管理が雑なので、リュックの中で「その紙」がくしゃくしゃになっていて、それを無造作にわたしの机の上に放り出していた。

どうやら、それを妻が見たらしい。

絵に描いた餅

事業売り上げはあくまで皮算用だし、目標もあれば、これくらいは行けるだろうという試算値もある。期限もバラバラ。

だから、この紙をみて「試算表や経営目標数値を出してください」という営業は何も間違っていないし、正しい銀行マンの姿だ。

いっぽう、妻は現実的なので、「転職先を探すといいのでは?」とか「マクドナルドとか扱いはいいよ!」とか「UBER EATSは事故が心配…」など、いまからできるわが家の収支改善策を具体的に提案してくる。それに「並行してやっても、プラスになるだけだから」と正論まで言う始末。

もちろん銀行マンも妻も正しくて、この紙に載っている数値は「絵に描いた餅」なのである。

それにしても、倒産を目の前にしても、「ローンの条件変更で逃れられる」ことはわかった。「新規の融資はできなくなりますけど…」との但し書き付きで。

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