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ジャングルの王者ターちゃん

 子供の頃に読んだ漫画はなぜか大人になって読んだ漫画よりも愛着があります。そして定期的に読みたい衝動に駆られます。アニメでも放映され二重の楽しみが本当に好きでした。子供の頃に体験し、感銘を受けた作品が、大人になった現在でも過去を占める割合にこんなにも入り込んでいるのならば、子供の頃に感知した知識、風習、慣習を大人になった時代に相改めるのは非常に難しいのではないかと疑問も湧きました。

 性格、知能、身体的特徴は環境によって変わる、若しくは遺伝の要因が強い。対立する考えですが、昨今、環境次第で変わるに軍配が上がっている風潮ですが、遺伝もかなりの割合で関係していることが明らかになっている現在、なかなか断定的に判断することは難しいです。

 そんな中、ジャングルの王者ターちゃんにはターちゃんのクローンである「アイアンマスク」が登場します。環境によって悪を植え付けられて育てられていますが、心優しいターちゃんのクローンです。作中の戦いの間に垣間見える、優しい心を示す描写が描かれています。そんな心をまた教育で悪に変えようとする。徹底的に悪の心を植え付ける。しかし、心優しいターちゃんとの戦いで敗北し本来備わっていた心の善を覆っていた悪が消え去っていく。

 「アイアンマスク」に見られるように、環境で性格を変えることは一定期間は可能ですが、例えその遺伝的な性格を封じ込めたとしても、また善の心と対面した時、悪の心は消えていきます。

 根からの悪ではないという犯罪者。犯罪者と対面した方々がこう述べている事例を何件か拝見したことがあります。当初は上辺だけなのではと疑いの目で捉えていましたが、実は本当の悪ではないのではと考えるようになりました。環境が悪への道に誘う、親鸞の悪人正機説でもあるように、環境要因が多く働いているせいで、悪に染まらなければならない。しかし、遺伝的には善なので悪にありきれない。外的要因のせいでどうしようもない。

 性善説と性悪説も対立する考えです。同じ人間から生まれた思想にも関わらず、対立して考えが始まるのは面白いです。そんな中、何故か悪から善になった方が注目を浴びます。善から善にはそこまでの衝撃を生む力がありません。しかし、このことは数直線で理解できます。まず善に生まれたのならば開始地点は0です。そして日々善の行いをして徳を積んで数値を上げます。100まで上がったとします。一方、悪で生まれたのならば開始地点はマイナス100です。(数値は適当です)そして、悪の心を持った人が善人と同じレベルの善の行いをし数値を100にしたとします。悪人の絶対値は200となり、善人の絶対値は100です。具体的にします。何も悪さをしない子が医者になりました。悪さばかりしていた子が医者になりました。インパクトは一目瞭然です。

 ジャングルの王者ターちゃんの「アイアンマスク」は善心100%のターちゃんという超人を通して善の道に戻っていきます。ターちゃんは史上最強の教育者なのではないかと思います。善心100%、善心80%、善心50%の人がそれぞれ善の心を説いたとしても、その言葉の重み、衝撃波の威力、そして悪を善のエリアに振る力が違うのには納得します。

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。