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英語の難化について

英語はとても重要な科目のようです。中学生が習う文法事項が増えました。例えば原形不定詞、仮定法などです。覚えなければならない英単語数も増えました。教科書で扱っております英文内容も難しくなりました。中学生への負担はかなり多くなってしまい、今まででも英語難民がおりましたが、一層拍車がかかり、さらなる英語難民を生み出しております。生徒からしますと学校のカリキュラムは、頭の良い大人が時間をかけて、中学生のキャパを考慮しつつ、どのタイミングでどの文法事項を学べば生徒の個々に異なる脳の成長段階に適応して身につくのかを最適に判断して作成してくれていると考えております。とても健気です。

文法は段階的に学ぶものだと思っておりましたが、今回の教科書改訂にはその考えは通用しません。なぜならば小学校で触れたことのある文法事項がさらっと入っているからです。もちろん中学生になってからしっかり学ぶというスタンスもありますが、小学校でやったことを前提に進んでおります。小学生で習っているのだから段階を踏んでいるのではとお考えになられるかと思いますが、小学生で習う英語は文法ではなく、音です。音とはフレーズを言う学習です。その時に文構造把握は必要ないのです。文法とは文を構成する要素の分解作業と考えておりますので、この作業をしない限り文法を学んだことにはなりません。名詞、動詞、形容詞、副詞など言語の基本となる構成要素の学習なしに言語を習得する傾向がありますが、よくよく考えてみれば滑稽な状況です。(我々が日々使用している日本語。使用の際に品詞を考えておりませんので、英語でも必要ないのではとご意見がありましたら、まず比較対象の位置しております場所が異なりますので、比較にならないことを申しておきます。)

英語は大事と考える際に英語の何が大事なのかを考慮する必要がございます。現状の英語学習では、SDGsを軸に内容が構成されておりますが、疑問を感じます。中学生にしてみればSDGsが具体的に何なのかがわかりません。そのわからない内容を、学習途中の英語で学びます。このような学習手段を採っている社会人はおりません。例えば、ポルトガル語、中国語、ドイツ語などの学習をしている社会人が、その学習言語で薬学、税金、心理学などを学ぶでしょうか。このような一石二鳥思考は破綻してしまいます。

また、英語を単なる1科目と捉えている体制にも疑念が湧きます。どういうことかと申しますと、英語には構成要因がたくさんあるため、例えば社会科目と比べますと、学習すべき項目が多いのです。1科目では収まりきらないということです。英単語の暗記だけでしたら問題ありませんが、文法に続き、英文解釈に続き、リスニングと英作文となります。英単語を学べば英作文がスラスラできる仕組みでしたら何も建白は致しません。しかし、英単語だけでは上記した内容を網羅することは叶わず、個々に対策を打たなければなりません。やることが多すぎます。そもそも、リスニングの勉強方法は日本社会で周知となっておりません。英作文力向上には「自由」は許されません。英文解釈は英文を読んで解ければ苦労はしませんが、そこには論理構造把握が必要となりますので、指導が必須です。英語だけでも授業コマ数がかなり必要となります。これを英語1科目と捉えるのには抵抗がございます。

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バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。