チンパン回覧実記(お蕎麦)13
[お蕎麦]
お昼ご飯はおじい様がお蕎麦を茹でて下さいました。私が器用にお蕎麦を取り、麺汁に浸して食べる一連の流れをおじい様はニコニコして見て下さっておりました。ずずずと音を立てながらお蕎麦やラーメンを食す日本文化はある外国人の観点からですと行儀が悪く見えるのだそうです。しかし、それは文化の違いによるもので、決してどちらが良いのか、悪いのかという話ではございません。私はこの音を立てる文化を日々享受しておりますので気にも止めておりません。むしろ軽快な音と認識しております。ラーメンをすする音も好きです。しかし、私はこの音を立てること自体がまだ上手く出来ません。お蕎麦を麺汁に浸すまでは難なく出来るのですが、音を立てる口の動きが出来ないのです。むにょむにょ・もぐもぐとなってしまいます。「チンパンも頑張れな。」と友人に励ましのお言葉を頂きましたので、今後の課題としたいと思います。
おじい様のお蕎麦はとても美味しかったです。食器類を台所まで運ぶお手伝いを申し出ました。食器を台所まで持っていくと、台所の前には小さな畑がありました。「あちらはネギですか。」と問いますと「見てきても良いぞ。」と仰って頂きましたので裏口から外に出ました。
「これはこれは、素晴らしいです。敷地内に畑があるというのは素敵です。」また、周辺を見渡しますとおじい様の家はまるで天香具山・畝傍山・耳成山に囲まれているかのような構成をされております。山中とはこのことだなと、自然に囲まれておりますこの環境に故郷のアフリカを想起致します。土をいじるこの感触、そして爪に土が入り込む懐かしさ、緑のにおい。どれも体に染み渡る素敵な体験です。
バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。