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チンパンジー⑫(孤児)

野生のチンパンジーに孤児はいるのでしょうか。そして孤児がいたとすればどういった状況なのでしょうか。最も有名なエピソードを紹介します。母親フロー(40歳)と子供フリント(9歳)の話です。母親フローは、子供フリントが9歳の時に亡くなってしまいました。チンパンジーの成人年齢は12歳です。大人になる前に母親が亡くなってしまったということです。その後、子供フリントはどうなってしまったのでしょうか。彼は食することを止め、無気力になり、そしてうつ病の兆候が出てしまいました。そして、彼は数週間後に亡くなってしまいました。母親のいないチンパンジーは、生涯にわたり、どんな社会環境にもかかわらず、悪影響を受けることが分かっています。さらにチンパンジーのアロマザリング(母親以外が幼児の世話をすること)は、極めてまれです。仮にあったとしても、5歳未満の孤児は生き延びたケースはなく、5歳以上の孤児が生き延びたとしても、身体的・社会的発達が遅れたと観察されました。

チンパンジーを調べると人間との共通点、直感的に理解できることが多々出てきます。霊長類学とは、ヒトの近縁種を調べることでヒトをより深く理解することを目指します。人類は700万年前に誕生し、7万年前に言語を使い始めて進化してきました。社会性を身につけていくために脳を増大し、150人もの範囲を把握できるようになりました。チンパンジーとは別の道を歩んでいますが、共通点は捨て切れていません。

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。