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チンパンジー⑧(嫉妬)

2002年にチンパンジーのコミュニティ内で起こった事件を紹介します。ある若い雄チンパンジーが同じグループのチンパンジー達に殺害されました。殺害までいくと何かしらの原因があるように感じます。 しかし、このチンパンジーは他の雄との交流やパトロールにも参加していて一見何も悪いところがないように見えました。では、原因は一体何だったのでしょうか。

3つあります。

1つ目はこのチンパンジーは数年前まで低順位でしたが急に高順位になっていました。(なんであいつだけ、となりそうですね。)

2つ目はあまり他の雄にグルーミング(毛づくろい)をしていませんでした。グルーミングはチンパンジー達の間で信頼感を育む重要な行為です。つまり、交流やパトロールなど表面的な付き合いだけでなく、真に分かち合う必要があったということです。(権力が上がったのに、根回しが足りていませんね。)

3つ目は他の雄と同盟を組んでいませんでした。政治的な味方を作らなかったということです。同盟を結んでいないと、いざというとき助けてくれる仲間がいないことになります。(一匹狼で格好いいかも知れませんが、チンパンジーは狼ではありません。)

メンバーとしては問題なかったかもしれませんが、政治戦略、つまり社会性を身につけていなかったことが大きな原因のようです。交流やパトロールは町内会の行事でしぶしぶ参加して、その場で親交を深めなかったことが仇となりました。確かに表面的な交流だけですと親睦を深めることが出来ず、権力だけが上がったことにより、嫉妬の引き金になりそうです。「なんで上っ面だけ調子のいいあいつだけが・・・。」この感覚は人間にも当てはまってしまいますので教訓にしたいです。


バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。