地獄から

人生がこわくて不確かでうまくいかない。
いきなりパンチがふってきたり暗い過去に引き戻される。
こういう弱さは出してはいけない。
前向きにならなきゃ。
もっとできることがある、ポジティブにポジティブに、過去なんて忘れちゃってさ、
なんてそんなの全部嘘で本当じゃない。
わたしのアイデンティティは暗く鬱憤としていて目も当てられない。血と体液と埃をどろどろに混ぜた醜悪で苦しいものがぱつんぱつんにわたしのからだにはつまっている。
それでいいと思っている。
だからこそ、わたしやわたしだけではない人間の言葉には重みがあり、表現は光るのだと思いたい。
地獄を見た人間だけに見える今があり、わかる今があるはずだ。
だからそんな綺麗なラッピングで地獄から蘇った人間の声を消さないでほしい。
弱さを見せるからこそできるコミュニケーションがある。できるケアがある。

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