当ブログ初公開!中飛車左穴熊に組ませない方法(1)2014/06/28

※ブログ10周年記念に「現代振り飛車ナビ」の記事を一部再公開します!

いま、「中飛車左穴熊」がアマ間で大流行しています。

はじめ東大将棋部がこの新戦法を大会に引っさげて連戦連勝したのをきっかけに今泉元奨励会三段がプロ相手に採用して勝利を収めてから一気にブームに火がつきました。

中飛車左穴熊の狙い筋をものすごく簡単に説明すると、
まず中飛車に振って下図のように穴熊に組んだあとドガーン!!……はい、以上です(笑)。

普通の対抗形ではなかなか許してもらえないはずの▲6六(4四)銀型穴熊の理想形にいとも簡単に組めちゃうんですね。このように駒組みの手順が非常にシンプルで、しかも圧倒的に勝ちやすいのが大きな魅力です。

中飛車左穴熊の登場によって、相振り対策に苦戦していた初手▲5六歩が再び注目されるようになり、振り飛車党の私は温かい目で動向を見守っていました。

――が、しかし。


いつの間にか中飛車左穴熊が石田流退治の旗頭に担ぎ上げられているではありませんか!

先手番では三間、後手番では中飛車を長年愛用してきた私にとって、お互いがお互いを潰し合う姿は見るに耐えない。何とか、両者の顔を立てつつ円満に和解するような虫のいい手段はないか考えていると……ありました。

石田流が中飛車左穴熊を破ることなく、なおかつ中飛車左穴熊が石田流に破られない都合のいい指し方が。

その謎を解くためのカギは、

中飛車左穴熊は対振り飛車の戦法なんだから振り飛車にしなけりゃいいじゃん」です。

能書きが長くなりましたが、それでは初手から基本形までの駒組みを見ていきましょう。

初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲7五歩△5四歩▲6六歩(第1図)

▲7五歩の石田流宣言に対して、4手目△5四歩と突いて先手の角道を止めさせるのが後手の駒組みの第一歩です。どうして▲6六歩以外の手はだめなのか?という理由は下記の参考記事をご覧になってください。

【参考記事】石田流vs△5四歩型の基礎知識―5手目▲6六歩の理由

第1図以下の指し手
△4二玉(第2図)

すぐに△5二飛と振るのは形の決めすぎで、以下▲6八銀△5五歩▲6七銀(B図)のあと後手の次の一手が難しい。

B図以下、①△6二玉は▲7八飛で普通の相振りになるので、②△4二玉と左側へ囲いますが、▲2六歩から居飛車で戦われると面白くありません(C図)。

後手はどちら側へ玉を上がっても、自分の頭上が主戦場になってしまうのです。

そこで後手は単に△4二玉と上がり、▲7八飛を見届けるまで作戦の態度を保留します。

先手は次の一手が問題です。次回の記事に続きます。

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