18年 9月に読んだ本の一言感想メモ

◆18年8月はコチラ

・『炭水化物が人類を滅ぼす』夏井睦★★★★★

今日の糖質制限ブームの火付け役となった一冊。数年来の糖尿病持ちである祖父に本書の食事法を試したら1、2ヶ月でHbA1cが正常値になった。ただ炭水化物を一切採らないのも極端すぎる気がするので気持ち控えるだけでも十分に健康効果がありそう。

・『火車』宮部みゆき★★★☆☆

宮部作品はこれまでに2度挫折しており今回が3度目の正直。カード破産で失踪した謎の女性を追う話で、テーマは悪くないのだが本筋と関係ない描写がいかんせん長い。もう少し簡潔にまとめてほしかった。

・『世界一やさしい問題解決の授業』渡辺健介★★★★☆

問題解決のための論理的な思考法についてわかりやすく書かれた本。子ども向けの事例とイラストだが、そのテクニックはすこぶる本格的でどんな難局でも正しい意思決定ができるようになるはず。

・『シンプルに考える』森川亮★★★☆☆

LINE元代表取締役社長(現C Channel社長)がシンプルな経営論を説く。「ヒット商品を作り続けること」って、言うのは簡単だけど実践するのは超大変だよなぁ。

・『ミライのつくりかた 2020―2045』GOROman★★★★☆

VRの最先端がわかる本。近年のポケGOやVTuberの過熱ぶりを見る限り日本人との親和性は高そうだし2、3年後にもっと大きなブームが来るんじゃないかな。今あまり興味のない人も後学のために読んで損はないと思う。

・『忍物語』西尾維新★★★☆☆

大学生になったこよみんと臥煙おねーさんが謎の連続ミイラ化事件を追う。だんだん怪異譚というよりミステリ色が濃くなっているが、元はといえば作者のデビュー作は推理小説だし自然な成り行きか。

・『「地勢」で読み解く太平洋戦争の謎』三野正洋★★★★☆

はじめ『失敗の本質』を読もうと思ったが難しかったのでもう少しやさしめの本書を手に取った。太平洋戦争の主要な戦闘と敗因を時系列でコンパクトにまとめられた良書。

・『沈黙』遠藤周作★★★☆☆

鎖国中の日本へカトリック布教のため密航した宣教師たちに待ち受ける過酷な試練とは……。個人的には秀吉がバテレン追放令を出した経緯を知りたくて読んだのだが時代がずれていた。

・『脱出老人』水谷竹秀★★★☆☆

孤独、介護疲れ、経済苦、さまざまな理由からフィリピンへ脱出する老人たち。うまくいく人もいれば逆に状況が悪化した人もおり、海外移住の際のケーススタディになるだろう。それにつけても日本国の未来のなさよ……。

・『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』佐渡島庸平★★★☆☆

ネットにおける今後のコミュニティのあり方を説いた本。僕は別にファンを増やしたり囲い込みたいとは思ってないのであまり共感できなかったが、全体の流れとしてSNSがクローズ化に向かっていくのは確かだと思う。

・『宵物語』西尾維新★★☆☆☆

突然いなくなった少女は家出か誘拐か、それとも……。高校の頃の無謀さを悔いて適所で自制心を見せるようになった阿良々木くんだが、物語としてはやや煮え切らないというか展開にもたつきを感じた。

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