19年 3月に読んだ本の一言感想メモ

◆19年2月はコチラ

・『ニューエリート』ピョートル・フェリクス・グジバチ★★★☆☆

Google社員で知日家のポーランド人著者が新しいAI時代の働き方を語る。社会主義体制から民主化に移行する激動期を経験したからか「最悪のリスク」に対する想定範囲がかなり広く、身の引き締まる思いがした。

・『秋元康の仕事学』NHK「仕事学のすすめ」製作班★★★★☆

美空ひばりの作曲からAKB48らアイドルの育成まで長い時代をまたいでヒットを飛ばし続ける秘訣を秋元氏に尋ねる企画。個人的に刺さる言葉が多く、何らかの表現に携わるクリエイターに強くおすすめしたい一冊。

・『パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ』ミチオ・カク★★★☆☆

「この世界は最低でも11次元で成り立っている」「ブラックホールの向こう側には別の宇宙がある」「タイムトラベルは理論的に可能」といった壮大な話で正直ちんぷんかんぷんだが人間の悩みなどちっぽけに思えてくる。

・『量子コンピュータが人工知能を加速する』西森秀稔・大関真之★★☆☆☆

カナダの新興企業が開発した量子コンピュータは超すげぇという話。最初の発案は日本人だったが資本力と組織力の差で負けてしまったそうだ。このテの話は飽きるほど聞いたしほんと日本の体質どうにかならんのか……。

・『石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人』早瀬利之★★★☆☆

戦前に満州で参謀を務めた人物として有名だが、本書は戦後の彼の言動にスポットを当てためずらしい本。病身でありながら米ソの東西冷戦や日本の高度経済成長などをかなり早い時点で予見していて驚いた。

・『サラの柔らかな香車』橋本長道★★★★☆

金髪碧眼の少女が元奨三段の指導でじょじょに将棋の才能に目覚めていく話。まわりの登場人物もスピンオフ(派生作品)にできそうなくらい一人一人ていねいに描かれていてよく練られているなーと感心した。

・『阿Q正伝・狂人日記』魯迅★★☆☆☆

奇抜なタイトルに惹かれて手に取ったが、内容はとくに大きな感慨はなかった。ただ戦前に書かれた小説としては洗練されているし、また当時の様子を中国人が日本語で記した点も歴史的意義があるだろう。

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