五月病のプラント

いつもより30分早く起きた朝、この先の余白を埋め尽くそうと思い更ける。昨日に仕込んでおいた納豆とキムチは老けたがごま油をかけると3歳ほど若返った気がした。健康に取り憑かれた5月は菌という菌を腸に取り込んだ。朝1番の白湯が野菜ジュースに変わり、ひと息のコーヒーは果実酢に変わり、果てにはサウナ後のポカリがカルピスに変わった。6月は腸でキノコでも育てようか。

着替えを仕込む間に空から落ちた水滴が黒く詰めた予定表を白紙に戻した。仕込んだ着替えは色物の靴下を添えて明日まで寝かせておく。1度消えた未来を書き換えるのは非常に困難なので、ノリで今日を彷徨う。こんな日は知ってのとおり、本やらで描かれる日常とはかけ離れたノンカロリー生活を送る訳だ。手始めにいつもの30分を取り戻そうと寝床につくが、夕焼けに起こされる。口から豆苗が出てきた。いつの豆苗か。腸で育ったのか。

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