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六本木クラスの長屋龍河を褒める

ろくにnoteを使えていないのに140字以上喋りたくなってしまって書きました。

『六本木クラス』
韓国ドラマ『梨泰院クラス』を原作翻案として2022年7月7日から地上波放送の始まった日本ドラマです。
TVer、TELASA、Netflixなどで放送分全話観れるみたいです。
地上波では木曜21時から放送されています。8月25日時点で8話まで放送されました。

noteタイトルにした「長屋龍河を褒める」ですが、龍河の言動ではなくお芝居を褒めます。

長屋龍河(早乙女太一さん)とは、六クラ主人公宮部新(竹内涼真さん)のライバルにも値しないけど、主人公の人生において幾多の困難を生み出し続けるクソ野郎です。
そしてこの龍河はまあ弱い。社会における凶悪性、暴力性は高いけど"気持ち"は弱い。
スーパーお金持ちの実家の長男で権力者の父がいることだけを笠に着て傍若無人の限りを尽くしている、今時めずらしいくらい清々しいボンボンクソ野郎。でも凶悪で乱暴者なのですがそれは環境を盾にしてイキっているだけで賢くもないので龍河の本性としてはすぐビビる小心者。散々イキり倒してやかましく煽るのに相手に怒鳴られたり言い返されるとそのまま黙っちゃうくらい弱い。ちょっとお前は黙ってろ(新にそう怒鳴られて黙るシーンもあります)
龍河の父、長屋茂(香川照之さん)が主人公にとっての大ボスなので、龍河は長屋の息子というポジションゆえに出張ってはきますがその言動は三下そのものという感じです。

まずわたしは早乙女太一さんの新入りオタクでファンなのですが、早乙女さんのご出演ドラマということで六本木クラスを観始めました。六本木クラスご出演のリリースを見るまで梨泰院クラスのことは知らなかったです。
上の龍河の紹介でも既にボロクソ言いましたが、早乙女さんご本人も放送前インタビューやインスタの配信で龍河を演じるにあたり嫌われないか心配、役に共感できるところがひとつも無い、今まで演じてきた役のなかで1番弱いやつなんじゃないかということを仰っていました。
役で言えば自分は早乙女さんの心も身体もむちゃくちゃ強くてクールな謎の剣士役を1番多く見てきているので本当に今までに無いくらい龍河が弱いし、早乙女さんのお芝居であまり見てこなかったタイプで新鮮で面白みがあります。

それでこんな龍河の何を褒めるのかという話なのですが。
こんなやつなのでとにかく悪に信念が無い。長屋父は信念を持って強く振る舞える悪の王者という感じなのですが、龍河はこの父がいなければこうなっていなかっただろうなと感じる弱さがあります。
ボロクソに紹介した通り最低なやつなのですけど龍河の悪には父の影響が見えすぎていて、本当の龍河は新にも茂にも優香(ヒロイン1新木優子さん)にも葵(ヒロイン2平手友梨奈さん)にも龍二(龍河の弟、鈴鹿央士さん)にも見劣りする格下さがあるので、鬱陶しい嫌なやつであると同時に憎む相手として据えるには弱くて嫌いきれない…みたいな気持ちも湧きます。
実際、物語序盤で龍河が取り返しの付かない過ちを犯して、その事実から逃げようとしていたけどよわよわの龍河には逃げ切る強さも足りなくて謝罪したいと言う更生のきっかけになりそうなタイミングもありましたが、そこで更生させず悪の道に突き落としたのは父の茂であるという展開もありました。

龍河のことを擁護はできないけれど憎みきれないと感じてしまうのは自分が早乙女さんのファンだからかも知れないという気持ちが拭えないのですが、でも六本木クラスの公式Twitterアカウントでも龍河のことを面白がっているツイートをしているから一般的な感想なのかな~…?とわからずにいます。どうなんでしょうか。嫌われて然るべき役どころであるとは思っています。

全然褒めていない。これから褒めます。

そんなわけで全然いいところの無い龍河。しかも強くもない。イキり煽りスキルだけはあるけど多分足も遅いし体力無いし喧嘩は弱いし知性も無くて口でもすぐ丸め込まれるし言い返せない。相手が殴り返して(言い返して)こないあいだしか攻撃できない。
なので「弱弱しい態度」というものもしょっちゅう垣間見えます。
肩で風を切って歩いてチャラチャラ喋ってイキっているのが通常の姿勢なので一見偉そうで強そうには見えるんですが割とすぐ崩れます。
この崩れたお芝居がおじょうず!と思うのです。やっと褒められた!!

"崩れ"を見せるためにはやっぱり普段のときの偉そうで強そうでムカつく態度が必要で、こっちは早乙女さんの元来のお芝居として舞台で見得を切ったり凄んだりすることを沢山されてきているので強そうなお芝居も風格があります。本当はコイツ強いんじゃないかって思える。
それでいて弱い龍河が出る。この強弱のお芝居が視聴者として、公式さんも推せるような"龍河"の魅力に感じられるのではないかと思いました。
弱さと強弱の見せ方がおじょうず。言いたかったのはこれです。ここ覚えて帰ってください…

わたしの好きな垣間見える弱さのシーン
1. 1話、嫌がっているのに無理やりニワトリを絞めさせられるところ
2. 1話、本気で怯えながら命乞いするところ
3. 5話か6話あたり、優香に壁ドンされてひるむところ
4. 8話、「お父さんも頑張って」

「お父さんも頑張って」
かわいく思っちゃいませんでしたか…?
遂に一瞬、今まで積み上げてきたイキりの壁がゆるく解かされて、父に"跡継ぎではなくただの息子として"甘えてもいいのだという純粋な子どもの気持ちが篭ったような台詞に聞こえました。ここの台詞には愛情があった。
お父さんもがんばって……よかったなあ……かわいかったなあ……(オタクの感想ですのでご容赦ください……)

そんなわけでクソムカつく長屋龍河なんですが、すごく魅力を感じるように演じられているなとオタクは思っています。
※最新話ネタバレ
龍河が出てくると面白かったので9話以降出て来ないのかと思うと心配で寂しいです…時々刑務所カメラから登場してほしい

六本木クラス、TVer、TELASA、Netflixなどで放送分全話観れるみたいです!
龍河の大活躍する8話まで是非観てみてください~!面白いよ!!!

こちらは早乙女さん個人のYoutube投稿

龍河のこの感じ、いいところひとつも無い嫌なやつなのにドラマとしては面白くて憎みきれない敵役って…と、半沢直樹の大和田常務を思い出していました。お父さん………

#ドラマ感想文 #六本木クラス #早乙女太一

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