『壊胎』のPLをやってきたよ、って話。(※ネタバレ含)
はい。
恐らく今年最後のTRPGに先日PLとして参加させて頂きました。
【クトゥルフ神話TRPG】こじらせオタク達と行く『壊胎』
ご視聴はこちらから▶https://www.youtube.com/watch?v=ZbWs85Isj14&t=23207s
KPはむつーさん(@mutuu24)
同じくPLで参加をしているのが高生紳士くん。(@takao_shinji)
セッションって終わると色々なものを後付けしてしまいそうな気がするので、なるべく早く書き留めようと思い今に至るわけです。
この投稿はそれはそれは恐ろしい位にセッションの内容に触れていくので、まだこの先『壊胎』をPLとして遊ぶ予定の方、またネタバレなど気になる方はご注意くださいませ。
<こんなこと書いてあるよリスト>
・キャラクター(南郷雪忠)について
・セッションについて
・あの時はこう思ってたよ的なことについて
-----------------------------------------------------------------------
まずは今回探索者として作成した南郷雪忠(なんごう ゆきただ)について触れていきたいと思います。
職業は詐欺師。
ここは何となく決まってました。
職業は何でも大丈夫とのことだったので、確か迷わず詐欺師にしたのを覚えています。
これは完全に裏話になってしまいますが、高生くんから事前に「にどみちゃん!今回こういうキャラで行こうかと思ってるんだけどどう?」的な感じで何人かキャラクターのイラストと軽い設定みたいなものを貰っていました。
それで僕は気になった子を高生くんに伝えたのですが、軽い設定のところを全然見ていなくて。笑
見返してみたら「ある一件をきっかけに人を信じることができなくなった」って書いてあってウケました。
なので、僕は彼がそういうキャラクターであることを知らずに、騙すことを生業とした詐欺師を選んでいたことになります。
勿論、「騙される方が悪い」っていうのを信念にしている等は設定を見た後に考えましたが。
南郷さんについてもう少し触れていきたいと思います。
彼は義賊的な詐欺師でいわゆる「悪を挫く」詐欺師です。
当初はこのままで行こうかとも思っていましたが、俗にいう「悪人」っぽさがこれだけでは出ないなと思い、「騙される方が悪い」というモットーを付け加えました。
するとあら不思議。これだけで悪人っぽさが出るなぁ、と。
簡単に言ってしまうと彼自身、騙すことは悪くないと思っているんです。
一応幼い時に彼の両親も何者かに騙されている、というちゃんとした設定があるのですが、両親に対しても同じ気持ちで、騙した方ではなく騙された両親に非があると彼自身は思っていることがこのキャラのミソです。
騙していることに、なんの感情も抱かない。それが南郷雪忠なのです。
少しセッションの内容にも触れていきます。
彼が物語を通じて出会ったのは高生くんのキャラである、味方涼利。そしてNPCとして登場する三上ひとみ。
初対面の相手と行動を共にすることですが、雪忠自身はまず何を考えて、どうしようとしていたでしょうか。
答えは信用を得ることです。
信用を得れば得るほど、彼の動きやすい環境になっていきます。
だから、彼はあくまでいいおじさんを演じることを最優先としていました。
ただ一つ、ここで彼の中で今までと大きく違うことは、共に行動をする相手が人を信じないと明確な意思表示をしていることでしょう。
人を信じない男と、人に信じてもらいたい男。
矛と盾みたいですよね。ほんま。
信じたところで結局は雪忠の思い通りな訳ですから、味方くんにとっても本当に報われない関係性がここで出来ているわけです。
一番それが顕著に出たのは鍵の存在を隠したとき、それから味方くんがD-3になった最初の戦闘でしょうか。
鍵の情報を共有しなかったのは彼が損得を考えたからでしょう。
実際、にどみ自身はあの鍵を使うのはもっと後の場面だと思っていました。
あんなに直ぐに使う機会があるだなんて。笑笑
当然、味方には隠していたわけですから、不信感を抱かれることになりますよね。
それがきっとその後の戦闘で味方が雪忠を庇わない理由になったのでしょう。
裏切られることを嫌う者が裏切られたんだから当然ですよね。
あの消火器マジでなんやったんや。消火器は消火器だぞ、にどみくん。
そしてラストシーン。
雪忠はD-4、そして禁じ手とされているタブーになってまで戦闘をすることになります。
恐らく視聴者の皆さんもここが一番気になるのかなぁと思うので、出来るだけ濃度を濃くして書き記していきたいなと考えています。
まぁ、ぶっちゃけ最初はD-4でどうにかなると思っていました。
完璧な慢心ですが。
D-4ではどうにもならない中、タブーとなって戦闘を続けるか、はたまた変身せずに不確定な要素に賭けるか。
味方くんは何とか変身をさせずに一緒に逃げる状況を考えてくれていました。
人を信用できない子が、一緒に帰れる方法を模索してるわけです。
雪忠はこう思いました。
「結局騙されちゃったね。少年」と。
実はセッションを通して雪忠側から、他の人たちを信用する描写って僕はしていないと思うんです。
あくまで信用されることが目的なんです、彼は。
だから、最初の戦闘で味方くんに向かって剣を投げたのも、ひとみちゃんに向けて優しい嘘を吐いたのも、信用をしたからではなく、信用をされるための行動なんです。
最終的にそれは身を結びます。
だって、人を信じない彼から「信じてる」と言質をとったのですから。
D-4の変身が解除され、タブーになるかを選択する場面。
実は、にどみ自身の中では結構早めに答えは決まっていました。
が、その後の最悪の事態を考えて、言いよどんでいました。
仮に味方くんがひとみを連れて逃げ出せても。
結局、ひとみを彼に処分させる羽目になるんじゃないか…?
誰かを信じても良いと気づいた彼にそれをさせ、何も残らなかったら彼はおかしくなてしまうんじゃないか…?
何か、他に最善策はあるんじゃないか…?
そこではっと気づいたわけです。
雪忠は、なぜ自分に騙された人のことを第一に考えているんだと。
騙される方が悪い。彼のモットーです。
雪忠にとって騙された相手なんてどうでもいいわけです。
言葉は悪いですが。
その瞬間、多分彼は詐欺師ではなく一人の男として考えてしまっていたんでしょうね、きっと。
その後のセリフってどんな感じだったっけな。
「おじさんを信じちゃった少年の負けってことよ」的なことと、
「おじさんも勝負に負けた」的なことを言ったと思います。
そうなんです。
勝ちました。ただ、負けました。
「信じてる」って相手に言わせたこと。
これは詐欺師として勝ちです。
信じた相手のことを考えてしまったこと。
しかも第一に。自分は信頼なんて一切寄せていなかったのに。
これは詐欺師として負けです。
だから、あそこはタブーになる以外選択肢はありませんでした。
雪忠は詐欺師として死んだんだと思います。
だから、文字通り死ぬ気でイグに戦いを挑んだのでしょう。
雪忠も、味方くんも報われたかどうかはわかりません。
ただ、終わった後に高生くんとむつーさんと話して合致した「この二人の物語はこれで正解」が恐らく答えだと思います。
TRPGは良いですね。同じ物語でもいろいろな正解があって。
それが楽しくて楽しくて仕方ないから、僕はTRPGが好きなのでしょう。
完