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2018.9.17 TOKYO

全く予期していなかったもの同士が、なんか繋がっちゃって思い出深いものになってしまったので書いておく。

きみの鳥はうたえる
三宅唱監督
https://secure.eiga.com/l/uFbQk

この日は大好きなバンドのライブがあったので、ちょっと遅い夏休みとして前日から東京にきていた。
ぽっかりと時間があいてしまったので、映画でも観るか…と思いついて都合よい時間と場所を選んでヒットしたのが「きみの鳥はうたえる」だった。

申し訳ないのだが、タイトルをなんかのツイートで見た気がするって感じで、選んだ基準は出演者が好きな役者だったから。

映画の始まりと同時にナレーションでこう言った。
僕にはこの夏がいつまでも続くような気がした。九月になっても十月になっても、次の季節はやってこないように思える。

えーーーーっ!!!
私明日さ、「夏が終わる〜♫」って歌ってる超良い曲聴きに行くんだけど!それでこの夏が終わる気がしてるんだけどっ!
イキナリそんな事言うからなんかびっくりして、なんか心の中で笑ってしまってこの映画が凄く楽しみになってしまったのです。

で、映画の内容は本当にそんな私の個人的な事情とは無関係に凄く良かった。少なくとも私はあの3人嫌いじゃないな。

柄本佑演じる「僕」。ダラシないなーって最初は思うんだけど、だってもう歩き方がダラシナイ。でもなんか、あっ!そこはちゃんとしてるんだって感じる所がちょっとあったりする。

僕と部屋をシェアしている静雄は一見ちょっと何考えてるのかわかんないタイプで、仕事もしてなくて、やっぱり世間からみたらダメな見方をされる若者なんだけど、、
でもコーヒーをちゃんとドリップして入れてたり、そのコーヒーの残りかすをタバコの灰皿に入れてたり(消臭効果再利用)、フライパンとかちゃんと綺麗にあったり、部屋が汚くないし、フレッシュなトマトが家にあったり、電気とかちゃんと消すタイプだったり。真っ当な性格が滲んでいた。

佐知子、佐知子良かった!クラブで踊ってるシーン好きだった。泳ぐように気持ちよさそうに踊る佐知子をぼんやり見ている若者達も。石橋静河さんめっちゃ好きかも。劇伴はHi’Specこれも良かった。

「若さってなくなっちゃうものなのかな?」のセリフが印象深い。思わず自分に問いかけてしまった。
若いときってこのぐらいのだらし無さと曖昧さで生きてるもんだよな〜本屋のバイトの女の子が新人の男の子とイイ感じになっちゃうのもなんかわかる。
ラストシーンの佐知子の表情…たぶん観てた私もおんなじ様な顔になってたと思う。

函館の街の風景も街がもってるあの雰囲気も良かった。私は昔の自分を思い出し、ちょっと遠い目。

ちなみに、OGRE YOU SSSHOLEのライブも人生レベルで見に来て良かったと思ってしまうほど素晴らしかったのである!
夏が終わるっていうキーワードだけで、この日みた映画とこの日聴いた曲がとても忘れられないものになってしまってとても感慨深い。
日比谷野外音楽堂は大雨でびしょ濡れだったけど、ちょうどアンコール前に雨が止んだのだ。しかも「ワイパー」という曲を演奏しだしてからだ。
こんな奇跡的なドラマチックな展開が待っていたなんて。
そして最後の曲がこの曲。私は子供がいるせいなのか、この曲を聴くと子供が遊んでたりするのを眺めている自分が浮かんできてしまう。
そういえば、ずっと聴いていたらこの黒い生き物も愛嬌出てきてしまっている。

僕、静雄、佐知子にこの曲を聴かせてあげたい。

3人で過ごした函館の夏がいつかは終わりがくるように、この曲の最後も泡のように消えていくけど懐かしく瑞々しい感じが残る。

「動物的/人間的」

https://youtu.be/KGCR6xN-tc8