ただ自分のモチベを上げたいだけだった
スクールメイクについての話。
学生、特に私と同じ女子高生はスクールメイクというものをした事があるのではないだろうか。
校則でメイクが禁止されていてもバレない程度に可愛くなる、ほぼ自己満の世界だがモチベに繋がるなら私はどんどんメイクすれば良いと思っている。実際私もスクールメイクをして学校に行っているので人のことは言えない。
私の学校はメイクが禁止されているが先生達は注意しない。明らかにカラコン入れてがっつりメイクしている人がいても何も言わない。今の時代ハラスメントがどうこうと厳しいので迂闊に先生達も注意ができないそうだ。なら私もしよう。そう思い立ってからは早かった。
まずカラコンを買った。ネットでたくさん調べて、自分の黒目の色や大きさをしっかり見て購入したカラコンは大きすぎず小さすぎずスクールメイクにはぴったりであった。元々目の大きさに対しての黒目の大きさには物足りなさを感じていたため丁度良かった。
次に様々なメイク道具を買った。元々持っていた物に加えてシェーディングやハイライトなど優先順位を低めにしていた物を揃え、私に合うスクールメイクを研究した。私は自分の顔面が大嫌いだったのでこれで人前に出れるレベルになれればいいと思っていた。顔面コンプを拗らせた結果マスクは外せなくなったためアイメイクさえ上手に出来れば何でもいいなあ、と思って過ごしていた。私は可愛いとまでは思えなくてもまだマシにはなったなあと思っていたがそうではなかったようだ。
親にメイクの全てを否定された。
元々私がスカートを折っているのを見て「短い 折るのやめろ スカートが不細工」と言われた事から始まり、その後私の顔面についてまで飛び火した。スカートは折ってせいぜい膝上ぐらいなので決して短いわけではない。何を見ているんだか。
スクールメイクなのでラメも使わずアイラインも引かず、薄くアイシャドウを塗って二重線や涙袋をどうにかして束感まつ毛にしたぐらいである。学校に何のために行っているのか、そんなつまらないことをするぐらいなら学校をやめてしまえ、これで成績が下がったらどうしてくれるのか、こんなことを言われた様な気がする。正直なところ校則を破っているのが悪いため何も言い返すことはできないが、そこまで否定されるとは思っていなかったため結構なダメージを受けてしまった。
学校には勉強をするために行っているが、不細工な顔面で授業を受けるより可愛い顔面で授業を受ける方がモチベは上がる。
自分の気持ちの問題だがスクールメイクは決してつまらないことではない。可愛くなりたいと思って何が悪いのか。
これで内申点が下がっても仕方がないし覚悟の上でメイクをしているつもりだ。そもそも母は私のことを成績でしか判断せず、否定が多い人なのである種仕方のない言われ様なのかもしれないが「お前は不細工なんだから不細工のまま諦めて生きろ」と間接的に言われているような気がして虚無感や絶望感に苛まれてしまった。
私は母が嫌いだ。母に似た自分の顔はもっと嫌いだ。もし父親という存在がいればあの時どうなっていたのだろうと思う。二人から否定されたのか、はたまた父が私の味方になってくれたのか。
おそらく私は学校でカラコンを入れてメイクをすることになると思う。そして帰る前にウエットティッシュでメイクを無理やり落としているのだろう。母に期待をしてはいけない。てっきり私は可愛いと言ってもらえると思っていたがそんな甘くはなかった。自分の中の「可愛い」を学校verにした結果こんなことになるなんて思ってもいなかった。誰かが私のことを好いてくれるためにはメイクは必要不可欠なものだと思っていた。洗面所の鏡の中の私はなぜあんなにも可愛いのだろうか、手鏡の中の私はあんなにも不細工なのに。これを書くつい1時間前まで自分の不細工さに涙を流していたのに。自分の中の「可愛い」を押し通せるほど強い気持ちがあれば私はこんなに悩むことは無かったのだろうなと思う。
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