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カシスオレンジ


小さい頃からチョコレートが好きだった。
トーストにチョコレートソースを塗って、さらにホイップクリームをしぼって食べることがあった。
ここにさらにカラースプレーをふったらもっとよかったなーなんて冗談は置いておいて。

大学時代。
昔の同中友達と飲みに行った時、私はカシスオレンジを注文した。
友人が女の子はとりあえずカシスオレンジを頼むよねみたいな話をしたが、その当時は深く考えずに「あ、そうなんだー」くらいに聞いていた。
その当時カシスオレンジを選んだのは、単純に色んなカクテルの種類がある中でどれがいいか分からなくて、とりあえず1番名前からして飲みやすそうだなと思ったものを選んだのだ。


それから時長くして、昨日の実家帰省のこと。

私と姉の夫婦4人が実家に帰ってお参りをし、お昼を家族全員で食べた。しかし私たち4人は全員アルコールが得意じゃないので、ノンアルコールを用意してくれていた。何本かあった。

姉が適当に冷蔵庫から出したのを父に渡して、父が手にしていた白いサワーを私に渡したが……

姉「それ姉夫が飲むから!」

私「そうなん?じゃあ……(姉夫に渡す)」

姉「にこちゃんはこれでしょ?」

私「え?」

姉の手に持っていたのはノンアルコールのカシスオレンジだった。

私「ええと……」

この時、何故かカシスオレンジを選んできたことに対して負の考えがよぎった。

私カシスオレンジ好きなイメージあったか?
頭の中に「???」を思い浮かびながらも、

私「別に好きとかじゃ……飲んで欲しいんやったら飲もか?」

と姉に返したら
姉は若干声のトーンを変えたかのように「うん」と返してカシスオレンジを私の元に渡した。

その後は特に気まずい空気になることなく、食事の時間を楽しんだ。
しかし心のどこかでモヤモヤしていた。
それは家に帰ってきてからもずっとだった。

カシスオレンジに罪はないのに、イメージ付けされて飲み物が選ばれたことにあまり良いと捉えられなかったこと。(そもそもノンアルコールカクテルの地点でどれも同じと思うが)(そんなふうに考えてしまう自分が未熟すぎて泣ける)

冷蔵庫には他にもノンアルコールの飲み物があったのなんだったのか知りたかったにもが関わらず、自分でカシスオレンジを選んでしまったこと。(自分から他にもあるよね?と言えばよかった)(誰かに言ってもらおうとか期待しない)

そもそも姉からこの飲み物を飲むように強要されたと感じた。

以上、これらがモヤモヤの原因だろうと分析した。さらに分析すると大方のもやもやは自分で決めた飲み物じゃないことにあると確信した。
カシスオレンジに対して何も気にならなかったのは、あの時は飲み切ったから。本当に飲みたくなかったら気が進まないだろうから。
カシスオレンジはおいしかった。

私も私で、あまのじゃくなところがあるので、基本的にこれにしなよと言われたり、好きな食べ物でも食べ!食べ!と言われると逆に嫌になってしまうタイプだ。
今回選ばれたのがカシスオレンジだったのだろう……
だから場合によっては頑なに要らないといって拒否をしていたかもしれない。それはそれで変な空気になっていたかもしれない。
姉も今回の行動は自然にやったことで悪意はなかったのだろう。

母の誕生日に帰ってきたとき。
31アイス買うことになって、私の食べたいものを選んだら意外そうにされた。
「これだと思った」と指したのはチョコレート系フレーバーのアイス。チョコレートは確かに好きだけど……純粋に今食べたいフレーバーを選んだ。

周りにこんなイメージに思われている自分が嫌いになる時もある。私はこんなイメージなのか?と。払拭してしまいたいこともある。
そして、自分のことがよく分からなくなっていく。

誰かに選ばれるよりも、それが例え同じものだったとしても、自分が好きだからという理由でありたいと思った。
自分の好きには素直でありたいものだ。



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