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「女として生きること」について

 これから具なしパスタを作る予定。バターとしょうゆと、海苔とオリーブオイルだけのやつ。結構美味しいんだよ。金が無くても腹はふくらむ。

さて、またもやタイトルとは全くもって無関係な始め方(というかギャップが生まれすぎてむしろそこに意図があるんじゃないかとも捉えられそう)。でも、やっぱり全然関係ないよ。

 突然ですが、わたしは性を女として生まれたこと、というかじぶんが女として生きていることになかなかおっきな嫌悪感を抱いております。

 でもね、違うんですよ。女性はすきなんです。むしろすきなんです。

 ここのミソは、「じぶんが」女性である、というところにある。

 わたしは俳優を志して上京し間もないですが、以前参加させていただいた舞台の稽古初日、わたしのアクトを見た演出家が「おまえ、美人がやって初めて成り立つような『可も無く不可も無く』みてーな芝居してんじゃねえよ。ブス!」と言ったんですね。

 いやーーーもう本当に、わたしはこの言葉を戴けて、冗談とか綺麗事とかではなく、心底よかったな、と思っとるんです(しかし「ブス」という表現というか言葉の強さには単純に打撃を受けたんで、このエピソードは打ち上げまで引っぱり続け、結果「大島は根に持つタイプ」というレッテルが貼られました。まあそうなんだけど)。

 でも打撃を受けたっちゅーことは、多かれ少なかれ思い当る節があるっちゅーことですよ。

 じぶんが「ブスである」という事実に、ではなくて、じぶんが「美人であると信じ込んでいる」という事実に、です。これを自覚した瞬間に、「あ、わたしは生き方間違っとったな」と知るわけです。大げさな話じゃないですよ。女の子はみんな、特に若い人たちならね、自覚するべきなんです。

 わたしはその日から、「じぶんが女であることに甘んじている為に発生する仕草や喋り方」について、もの凄く自覚的になりました。そうして初めて発見できたじぶんの女性性に起因する総てを、削ぎ落としていったんです。

 すると途端に、その稽古場で「漁師」と呼ばれるようになりました。

 稽古着や私服は機能性重視、可愛い声できゃぴっと笑ったり、愛想を振りまいたりもしない。でも、(わたしの感覚としてですが)稽古場のみなさんが一気に信頼してきてくれたんですね。心から寄り添ってくれ始めた、というか。変化が目に見えてわかるんです。


 併せて、他の女性のそういう「女性性」部分も意識して観察するようになって。その結果わたしが実感した、きらいな女性の例を挙げますね。

 まずは、首の据わっていない女の子。

 どっかの記事か本かで読みましたが、首がフラフラしてる女の子(特に若い子に多い)、いるじゃないですか。あれって、本能的もしくは潜在的に「わたし、可愛いでしょ?」って意識があるから首が据わらないんですって。つまり、赤ちゃんと一緒。これ読んだ時は衝撃受けました。確かに、無自覚な女の子って赤ちゃんにそっくり。


 次に、お酒を飲んではじめて、男性に絡む女の子。

 お酒の力を借りなきゃ、男性に絡むこともできないの?って思っちゃう。これが好きな人が対象ならまだかわいいんですけど、不特定多数の男性にベタベタ絡みはじめる。見てて不快。ダサいなって思う。女性として、品が無いですよ。お酒を飲んだ時こそ、理性を保つべきですよ。そっちの方が、きっとかっこいいですから。女性として。

 まあ、上に書いたようなことを「それでもわたしは女性であることを大きな武器のひとつとしてやっていく」と、ひとつの生き方の選択としてる人がまれにいるんですよ。そういう女性は、ホンモノです。もう勝てない。

 たとえばわたしの好きな椎名林檎さん、二階堂ふみさんなんかはそういう選択をしてるんだろうなって思います。それでいて本当にちゃんと可愛いし綺麗だから凄い。ブランディングというか、じぶんに合った生き方を選択してるなって思うわけです。

 この前共演した19歳の女の子がいるんですが、とってもチャーミングでキュートなんです。稽古場のアイドルだったし、でも先述した流れでいくと本来なら苦手なタイプの女の子なわけです、わたしにとっては。

 けれど、全く嫌な気がしない。なんでだろー、この子はなぜ不快サンプルの例外なんだろ、と興味津々で観察していたんです。

 ある日、その子がもうすぐ誕生日だーもうすぐハタチだねーみたいな話題になったんです。その流れでやっぱり「きみは可愛いねー」といつもの言葉をかけられたその子は、さらっと「でもこんなふうな振る舞いや扱いが許されるのもあと数ヶ月なんで」って言ったんですよ。

 ゾワゾワってしました。あ、この子、わかってやってんだな、って。

 やっぱりだから俳優としても評価が高いんやろな、と納得しました(そしてもちろん、その子のことは更に大好きになりました)。


 次回はもっと踏み込んで、女として生まれたからには、じぶんの「顔」について書いてみよーかと思っとります。みんな意外と言及しないよね、じぶんの顔について。美人とかイケメンとか、じぶんの顔に対してどんな思想を持ってるんやろ?めっちゃいろいろ訊いてみたい。


 よっしゃ。パスタつくろー。


   ✴︎BGM:鏡音リン「余所事」

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