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私に熱い気持ちを思い出させてくれたクレナズムのLIVEレポ

2022.5.3 クレナズムのライブが福岡ハートビートであると知った時の胸のドキドキ。行くと心で決めてはいたのだけど、子どもたちや夫の手前、即断することは出来なくて、夫に相談すると「行ってくれば」との返事。
そして「Hayatoもできれば連れてってあげて」との言葉。そうか、Hayato(自閉症と重度の知的障害がある高3男子)は音楽大好きライブ大好きな子だけど、ちゃんとしたライブには行ったことないんだったよなぁ。

そうしてチケットを2枚予約したのが3月だったかな。
会場のハートビートはキャパが400人ほどの中規模ライブハウス。クレナズムは地元で知る人ぞ知るバンドなのでチケットもまだまだ残っている感じ。
コロナ禍だし、いい具合の人数で楽しめそうな予感がした。

当日、私はちょっとしたイベントと講座のホストで楽しくワチャワチャと過ごし、テンション高めのまま迎えた遅めの午後。ストリート系にお洒落をさせたHayatoと電車に乗って出発した。会場までは電車と地下鉄を乗り継ぎ1時間半くらい。会場に到着したのは開場時間を過ぎたくらいで、もう入場の列ができてた。

1ドリンク制なのだけど、途中トイレに行きたくならないよう、終わるまでは買わないでおく。ステージに向かって左寄りの三列目を確保して、開演まで待機。うー、49歳にもなると30分ほどの待機もツラいもんだ。そんなこと初めて感じたわ。

いよいよ開演。まずはオープニングアクトでクボタカイくんの登場。「クボタカイです。よろしくお願いしまーす!」って挨拶しながら軽快に入ってくる。YouTubeで何度か聴いていたスイートボイス、生で聴いてもやっぱりスイートで、そして可愛い。ネットで見ていた写真ではちょっと不遜なイメージで、そこがイイ!と思ってたけど、生のクボタカイくんはひたすら可愛い。私がもう母親目線になってるからなのかなー。髪の毛で隠れて見えない目はずっと笑ってるように見えた。

クボタカイくんの演奏が始まって30分くらい?40分くらい?私のお腹に異変が起き始めてた。そういや朝から少しシクシク痛かったような……。それが再発して、最初は無視してたんだけど、なんかどんどん痛くなってくる。さらに無視してたら、気持ち悪くなってきて目眩までしてきたので、Hayatoにその場を離れないようにと告げてロビーに飛び出した。そしてトイレに駆け込む。

気持ち悪さとお腹のシクシクした痛みにトイレにうずくまっていると、スタッフの方から声ががかる。「あのー、大丈夫ですか?息子さんが探されてるみたいですよ」と。
えーー、その場で待つように言ったやん!まあ、でも知らない場所で知らん人たちの中に一人取り残されたらそりゃ不安よね。気持ち悪さと痛みも少し落ち着いたので、ロビーでHayatoをゲットして、ライブハウス内に戻る。

すげー、今の子たちスゲー!何に感動したって??
私とHayatoの立ってた場所がそのまま空けてあるんだよ!!
なんてお利口さんな子たちなの?ざっと見渡すところ、みーんな20代ってとこ。ライブ中も暴れたりすることなく、自分の立ち位置でそれぞれに踊ったり手を打ったり楽しんでる。これが私の若い頃やったら、前や横の人に体当たりしたり、退場してった人がいたら即その場所の奪い合いになるのに。

ステージ上のアーティストたちもとっても礼儀正しくて、共演者同士の連携や配慮もしっかりしてて、オーディエンスへの感謝と配慮も忘れない。自由奔放で自分中心だった私たち世代との違いを見せつけられたライブでもあったよー。

さて。クボタカイくんが演奏をする会場に戻ってからも、2-3回の一次退場を繰り返した私。Hayatoも私を探してロビーに出てくることを繰り返し、そして毎回私たちの立ち位置は誰に横取りされることもなく、三列目を維持できていた。
最後にアコースティックギターを抱えて23歳なりの人生を歌っていたカイくん。正直、カッコよくラップで歌っていてほしい〜と思ったけど、うん、思いの丈をたまにギターでしっとり歌いたくなる気持ちは分かる。
ステージ上から私が出入りする様子は見えたと思うから、イヤな思いをさせちゃったかもしれない。けど、パフォーマンス素晴らしかったです。また観に行くね。

私の体調がようやく回復した頃、クボタカイくんは演奏を終えて、クレナズムの開演を待つばかりというところ。

そして現れた4人!萌映ちゃんもギターを抱えて出てくる!そうかぁ、ギターボーカルだったのかぁ(←今更かよ)。

生で聴くと、音源で聴くのよりもずっと爆音でヘビーな感じ。ベースのまことくんは終始激しく動いているし、ギターのけんじろうくんの出す音色は、まさにシューゲイザー、ドリームポップ。そう、私はこのギターの音づくりにすっかり魅了されてクレナズムのファンになったんだ。哀愁とベビネスの入り混じった音の中に泳いでる萌映ちゃんの声。音源で聴くよりもずっと良かった。ずっと酔っていたかった。

ふと隣にいるHayatoの様子を伺うとですね、もうめちゃくちゃにノッてる!この子は聴覚過敏で、大きな音が苦手なんですよ。だからイヤーマフという一見ヘッドフォンに見える消音具を装着ささてたんだけど、そのイヤーマフを自ら外して邪魔くさそうにしてる!なので、私がイヤーマフを持ってあげて、Hayatoには存分に楽しんでもらうことにしました(^^)♪

クレナズムをはじめて聞いてすぐに手に入れたのが4枚目のミニアルバム "touch the figure"

その収録曲『積乱雲の下で』とても切ない歌詞とキャッチーなメロディ。この曲で私はメロメロになったんだー。何度も何度も聴かせておいたから、Hayatoもこの曲ではすごくノッていたね。そして同アルバム収録の『酔生夢死』は、シューゲイザー色の濃ゆい私の好みドストライク曲。ライブでの演奏はもう、いつまでもその中でトリップしていたい気持ち良さだった。

私たちはベーシスト側にいたから、ギターのけんじろうくん、あんまり見れなかったけど、音で散々酔わせもらいましたわー。バイオリンの弓でギターを弾く姿も見られたり、クレイジーっぷりもイイ!

萌映ちゃんはMCでのお客さんたちへの気遣い。お客さんたちもそれを温かく見守る。私がバンドをしていた大昔には、あんまりお客さんに感謝とか気遣いとか、したことなかったなぁと思い出す。バンドマンは上から客を見下ろす的な、そしてそんなバンドマンにキャーキャー!と盛り上がるお客さん。そんな構図があったように思う。

今は、萌映ちゃんはじめとするクレナズム、そしてクボタカイくんのように、お客さんと同じ目線に立ちお客さんを気遣い感謝する。だってね「ありがとうございます」の言葉に本当に心がこもっていたから。それをお客さんも受け取り、優しさを返していく。そんなwin-winというか、お互いを思いやる温かい関係がアーティストとファンの間にあるんだなぁって。いい時代になったと思いました。

「えーと、あの素晴らしい曲をやってないよ?」
という疑問を残したままライブが一旦終わり、観客はアンコールを求めて拍手を続ける。そして、クレナズム再登場。

萌映ちゃんの「あの大切な曲を、まだ演奏していないんです」というMCとともに、始まる。やってくれました!クボタカイくんとのコラボ曲『解けない駆け引き』。

もうねー、会場みんなが幸せに包まれていました。印象的だったのは、ドラムしゅうたくんがすごい笑顔でドラム叩きながら歌っていたこと!昔わたしが一緒にバンドしていたユリカちゃんを思い出しちゃった。バンド内ではビミョーな関係だったけど、ステージの上での一体感・連帯感は最高だった。

クレナズムのライブ。たくさんの幸せな気持ちとセンチメンタルな気持ちをもらいました。本当にありがとう!

PS. 行きの電車、地下鉄、駅からまあまあの距離の徒歩、そしてライブはスタンディング、立ちっぱなしで疲れ果ててしまった私。博多駅に戻った時点で、立つのがやっとな程にヘロヘロでした。ヤバいなー、今度からはスタンディングのライブへは特急指定席に座って行かないかん!と学びました。もちろん博多駅からは指定席で帰りましたとも 笑。


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