不思議✨骨董招き猫せんきっつあん物語番外編No.4「芸者つじ丸は慎ましやか」

わたくし、未熟な招き猫のつじ丸と申します

わたくしの飼い主つじ丸姐さんは
元売れっ子芸者
華やかな世界においででしたが、とても質素な方で毎日炊事をなさっておりました

つじ丸姐さんのお料理は本当に美味しいらしく、置き屋の方々からも大評判でした。

つじ丸姐さんはお揚げさんを使う事が好きで、残り物を使っていろいろ工夫されておいででした

きんぴらごぼうの残り物がある時には、それを細かく切り溶き卵と和えて、袋のようにした油揚げの中に入れて
甘辛のお汁の中でサッと煮ておりました

そしてわたくしが匂いだけで、心が踊ったのは、おうどんお揚げさんという姐さんのお料理でございます

これは、お揚げさんの中におうどんとその上に乗っているものを入れてあります
椎茸、かまぼこ、薬味、時には天ぷらも！

おうどんも具も全て一口ぐらいの大きさに切り中に詰めたら、かつお出汁の効いたおうどんの汁で煮るのです。
つじ丸姐さんは、お座敷の後によくこれを食べられ、慎ましい生活をされておいででした。

食べた事はございませんが
つじ丸姐さんのお味が懐かしゅうございます